中学生の読書におすすめの作家20人!作家読みで好きな本に出会おう - cocoiro(ココイロ)

中学生になると、部活や塾などやるべきことがたくさんあるため、本離れが進むといいます。しかし、本は自分1人では経験できない世界を見せてくれるだけでなく、美しい言葉の言い回しを学べる素晴らしいものです。ぜひ夏休みという学校の長期休暇を使って読書をたしなむ時間をつくってみませんか。

中学生の読書におすすめの日本人作家20人

どんな本を読んだらいいのか悩んだ中学生には、ご紹介する作家さんの本を手に取ってもらってみてはいかがでしょう。思春期の子供達の心に思いを残す素晴らしい作家さんばかりです。

あさのあつこ

本名は浅野敦子。児童文学・時代小説家です。野球や陸上といったスポーツを題材にした小説は、スポーツ小説というよりも子供の成長や葛藤を描く心理描写を紡ぐ物語として人気があります。

主な作品名と受賞歴

  • 『バッテリー』シリーズ(KADOKAWA/角川書店);野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞
  • 『NO.6』シリーズ(講談社)
  • 『ランナー』シリーズ(幻冬舎)

ほか多数

おすすめの1冊

誰もが認める天才投手であり、傲慢なまでの自信と高いプライドを持つ原田巧。良くも悪くも真っすぐな性格も災いして周囲との衝突も多いのですが、努力を怠らずに野球に真剣に取り組む姿に魅了される仲間も多くいます。そんな巧とバッテリーを組むのが、温厚で包容力のあるキャッチャー永倉豪。野球の実力はあるものの、次第に巧の天賦の才と成長に追いつけなくなることを確信し、自分を追い込んでしまいます。絶対的な信頼関係で成り立つ「バッテリー」。少年達の野球を通した真剣な対峙と成長を、ていねいな心理描写で紡いでいます。

伊坂幸太郎

いさかこうたろう。推理小説家です。多くの作品で住居である宮城県仙台市を舞台にしています。登場人物が同名・別人格として複数の作品に登場するため作家読みをする読者の楽しみの1つとなっています。

主な作品名と受賞歴

  • 『オーデュボンの祈り』(新潮社);新潮ミステリー倶楽部賞
  • 『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社);吉川英治文学新人賞
  • 『ゴールデンスランバー』(新潮社);本屋大賞、山本周五郎賞

ほか多数

おすすめの1冊

数年前に暴漢に襲われていたトップアイドルを助け出したことで地元の有名人となった、元宅配業の青柳雅春。大学時代の親友に呼び出されて「お前、オズワルドにされるぞ」と告げられる。(リー・ハーヴェイ・オズワルドは、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディ暗殺の実行犯とされている人物。)その直後、衆人環視の中、首相がドローンの爆発により暗殺される。首相暗殺のぬれぎぬを着せられた男が、巨大な陰謀の陰を感じながらも、2日間にわたって執拗な追っ手集団から逃げ延びるスリリングな逃亡劇です。

伊藤たかみ

いとうたかみ。思春期の少年少女を描いている作品から、大人の不器用さや男女のすれ違いを描いた作品まで手がけており、幅広い年齢層のファンがいます。登場人物それぞれの心の機微をリアルな文体でつづり読者の心をつかみます。

主な作品名と受賞歴

  • 『ミカ!』(理論社);小学館児童出版文化賞
  • 『ぎぶそん』(ポプラ社);坪田譲治文学賞
  • 『八月の路上に捨てる』(文藝春秋);芥川賞

ほか多数

おすすめの1冊

「ガンズ・アンド・ローゼズ」に心酔した中学2年生のガクは仲間を集めてバンドを始めます。親友マロ、幼なじみのリリイ、問題児たける。4人はすれ違いとけんかを重ねながらも文化祭でライブをやることを目標に練習を重ねて、次第に仲間になっていきます。そんな友情関係以外に、ガクとリリイの淡い恋愛も注目です。バンド活動を通じて、14歳のキラキラした純粋な青春を描いたストーリーにドキドキする1冊です。

恩田陸

おんだりく。本名・熊谷奈苗(くまがいななえ)です。小さなころから音楽に触れており大学時代には大学のオーケストラでサックスを演奏。大の読書家であることから、SF、ミステリー、冒険、ホラー、青春、音楽など、さまざまなジャンルの小説を執筆している小説家です。

主な作品名と受賞歴

  • 『夜のピクニック』(新潮社);吉川英治文学新人賞、本屋大賞
  • 『ユージニア』(KADOKAWA);日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)
  • 『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎);直木賞、本屋大賞

ほか多数

おすすめの1冊

全校生徒がみんなで24時間かけて80kmを歩く北高の伝統行事「歩行祭」。高校最後の歩行祭で、甲田貴子は、異母兄弟で高校の同級生の西脇融に声をかけようとひそかに心に決めていました。お互いの存在を気にしながらも言葉を交わすことのなかった貴子と融、しかし2人の不自然な様子をクラスメイトは付き合っていると誤解してしまいます。高校生たちのさまざまな思いが交差する青春小説です。

金城一紀

かねしろかずき。朝鮮籍から韓国籍を経て、日本の高校に通い始め、後に日本国籍を取得した小説家です。『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズや『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』などの脚本家としても人気があります。作品の内容がほかの作品にも登場するため、作家読みをする楽しみのある小説家の1人です。

主な作品名と受賞歴

  • 『レヴォリューションNo.3』(角川グループパブリッシング);小説現代新人賞
  • 『GO』(KADOKAWA);直木賞
  • 『SP 警視庁警備部警護課第四係』(角川書店(角川グループパブリッシング))

ほか多数

おすすめの1冊

在日朝鮮籍から在日韓国籍に変えた主人公が、民族学校ではなく都内の男子高校に入学します。それは主人公にとって「広い世界」を見るための厳しい選択でした。しかし、友達の誕生日パーティで1人の女の子と出会います。国籍が変わることで自身の居場所が不安定になりつつも徐々に自分と向き合っていく主人公の葛藤と人を愛することについて考えさせられる青春小説です。

重松清

しげまつきよし。田村 章(たむら あきら)や岡田 幸四郎(おかだ こうしろう)など多くのペンネームを持っています。いったんは出版社に勤務しますが、フリーライターとして独立しドラマ・映画のノベライズや雑誌記者、ゴーストライターを手がけました。ほかにも、ゲームソフト『ロストオデッセイ』においてサブシナリオを担当。多くの分野で文才を発揮する小説家です。

主な作品名と受賞歴

  • 『ナイフ』(新潮社);坪田譲治文学賞
  • 『エイジ』(新潮社);山本周五郎賞
  • 『十字架』(講談社);吉川英治文学賞

ほか多数

おすすめの1冊

連作短編でつづられる足の不自由な恵美と、恵美の周囲の友達の1人1人にスポットを当てて、ていねいに心理描写が描かれています。優等生、ひねた奴、弱虫、八方美人など多感な小中学生の子供達のそれぞれの目線で物語が紡がれていき、人間関係の複雑さに悩みながらも成長する感動の連作長編物語です。

小川洋子

おがわようこ。芥川賞や太宰治賞などの文学賞選考委員を務める小説家です。小さなころから小説だけでなく事典や図鑑を読むのも好きな大の読書家でもあります。

主な作品名と受賞歴

  • 『博士の愛した数式』(新潮社);読売文学賞、本屋大賞
  • 『ミーナの行進』(中央公論新社);谷崎潤一郎賞
  • 『ことり』(朝日新聞出版);芸術選奨文部科学大臣賞

ほか多数

おすすめの1冊

交通事故の後遺症で80分しか記憶を維持できなくなった初老の元・数学者「博士」。そこで雇われた家政婦とその息子「ルート」との交流を描いた切なさのつまった感動の物語です。感謝されることが苦手な博士ですが、ルートへの純粋な愛情を抱き真摯に言葉を交わし向き合います。完全数「28」という数学の美しい世界観を味わうことができる1冊です。

上橋菜穂子

うはしなほこ。文化人類学者でもある児童文学作家です。異世界そのものを舞台とするハイ・ファンタジーの長編作品を多く手がけており、その重厚な世界観と心理描写が人気です。

主な作品名と受賞歴

  • 『守り人』シリーズ(新潮社);巌谷小波文芸賞
  • 『狐笛のかなた』(新潮社);野間児童文芸賞、産経児童出版文化賞推薦作品
  • 『鹿の王』(KADOKAWA);日本医療小説大賞、本屋大賞

ほか多数

おすすめの1冊

人の心が聞こえる異能「聞き耳」を持つ12歳の少女、小夜。人の世と神々の世界のとの境目にある霊獣の森に棲む霊狐・野火。隣り合う国の領土争いに巻き込まれて、怨みと殺し合いの連鎖に追い込まれていきます。野火と小夜の互いに惹かれ合う一途な思いが切なくも感動する傑作です。