本当に必要?子供の歯科矯正の種類から歯医者選びのポイントまで解説 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

判断基準となる悪い歯並びとは

受け口

反対咬合(はんたいこうごう)とも呼ばれます。前歯が下の歯の内側で噛み合ってしまう状態です。原因は「舌が下がった場所にある」「上顎の成長が遅い」「下顎の成長が著しい」など。

上顎前方牽引装置(フェイシャルマスク)や筋機能訓練装置(ムーシールド)などを使い、上顎の成長を促す、筋肉のバランスを整えるといった治療を行います。

出っ歯

上の前歯が前方に出ている状態で、前歯を傷つける恐れがあります。上顎の成長が著しく、上の前歯が出過ぎるパターンと、下顎の成長が弱く出っ歯に見えてしまうパターンの2種類があります。

治療では、上顎顎外固定装置(ヘッドギア)や機能的矯正治療(バイオネーター・フレンケル装置)で前歯の出っ張りをおさえ、下顎の成長を促します。

でこぼこに並んだ歯

原因は「顎と歯のバランスが悪い」「乳歯が早期に抜け、奥歯がズレた」「頬と舌の筋力バランスが崩れた」などさまざま。でこぼこの度合いや原因によって、治療のアプローチや開始時期を変えていきます。

治療は、マルチブラケット装置や拡大装置を用いて歯列を拡げ、でこぼこを改善します。

歯並び矯正の種類とは

つけたままのブラケット矯正

基本的に口腔内に設置したままになるブラケット矯正には、さまざまな種類があります。

プラスチック/セラミックブラケット

それぞれの歯につけたブラケットをすべてワイヤーでつなげます。ブラケットにはプラスチック製とセラミック製があります。プラスチック製は比較的安価、セラミック製は目立ちにくい色合いが特徴です。

リンガルブラケット

友達に矯正を気づかれるのを嫌がる子供もいるはず。リンガルブラケットは、歯の裏側につけるため目立ちません。上の歯をリンガルブラケット、下の歯を通常のブラケットというように組み合わせることもできます。

メタルブラケット

治療費をおさえられるのがメタルブラケットです。ほかの矯正器具と比べて目立ちやすい素材ですが、その分コストパフォーマンに優れています。

デーモンシステム

歯への負担をおさえる矯正を目指したのがデーモンシステム。矯正に適した力で、治療期間を短くできます。矯正による虫歯や歯周病のリスクを下げることもできます。

取り外しできる矯正

インビザライン

厚さ約0.5mの透明なマウスピース型です。いつでも取り外しができるため、子供の都合に合わせやすいです。食事中だけ外すといった使い方もできます。

クリアライナー

歯の状態に合わせて形状を変えていくのが特徴。ワイヤー矯正を併用する場合もあります。

治療中や治療後のメンテナンス

治療中は、歯と装置の隙間に歯磨きできない箇所ができやすいです。念入りにブラッシングを行いましょう。汚れを見つけるために染め出し液を使ってもいいでしょう。装置が触れて口腔内が傷つくことがあるかもしれません。そのような痛みは薬を使えば解消しますが、歯の移動で生じる痛みは我慢するしかありません。

治療後には、歯列を安定させるために保定装置をつける期間を設けます。ここで放っておくと歯は元の状態に戻ってしまいます。歯科医の指示に基づき、定められた期間中は保定装置をつけて受診しましょう。

歯科医院選びのポイント

歯科医師はていねいな説明をしてくれるか

矯正治療を相談する際、歯科医師がていねいな説明を行っているかが判断のポイントです。具体的には、「診療システムや抜歯の可能性、期間、費用といった大まかな流れ」「治療前に頭部全体のエックス線撮影、歯の模型を用いた検査や分析、診断による治療方針の説明」「治療を無理に勧めない」などの観点から説明しているか、です。

認定医もしくは専門医であるか

小児歯科や矯正歯科の専門医もしくは認定医であることが望ましいでしょう。歯科医師は、誰でも診療科目を標榜できますが、認定医や専門医は小児歯科学会の定めた基準をクリアしなければ名乗れません。安心して矯正治療を受けたいのであれば、認定医もしくは専門医を探してみましょう。

矯正歯科と小児歯科のどちらを選ぶか

基本的に、矯正歯科専門の歯科医院では高い技術を有す矯正治療を受けられます。小児歯科は、虫歯や歯肉炎予防のメンテナンスを受けながら、はえ変わりに応じて矯正治療を行える点にメリットがあります。