9歳の平均身長・体重は?身長を伸ばすために親ができること - cocoiro(ココイロ) - Page 2

【食事】栄養バランスの良い食事

「身長を伸ばすには、牛乳をたくさん飲もう!」と子供のころに指導された親御さんもいるかもしれません。しかし、現代では牛乳の飲みすぎは身長増加に悪影響との意見もあります。それでは、身長を伸ばすために必要な栄養とはどのようなものなのでしょうか。

身長を伸ばすのに必要なタンパク質

額田先生は、身長を伸ばすために最も必要な栄養素は「タンパク質」であるとしています。タンパク質は「骨や筋肉の材料」となって骨を大きくするだけでなく、成長ホルモンの分泌を促す作用もあります。身長を伸ばすために必要なタンパク質の量は次のとおりです。

タンパク質の量の目安

年代 体重1kgあたり
1日のタンパク質摂取量の目安
思春期前
(小学校低学年)
1.1~2.0g/kg程度
思春期
(小学校高学年~中学生くらい)
1.25~2.0g/kg程度
成人 0.9~1.1g/kg程度

額田成(2015年7月)『[新版]子どもの身長を伸ばすためにできること』PHP研究所,P41より筆者作成)

9歳の平均体重は30kgですから、必要なタンパク質の量はおよそ60gとなります。60gが摂取できる組み合わせの一例を、以下に示します。

タンパク質を多く含む食材例

食材 100gあたりタンパク質量
プロセスチーズ 22.7g
1切れ/22.3g
普通牛乳 3.3g
枝豆 1個/11.7g

栄養成分早見表|ミールタイムより筆者作成)

タンパク質の必要な量は子供の体重や運動量、発育ペースなどによって異なります。上記はあくまで目安です。額田先生は、発育が十分であればタンパク質は足りているとみなして良いとしています。ただし、9歳ごろの思春期前は1.1g/㎏を下回ると発育に悪影響が出る可能性があるため、注意が必要です。

参考
額田成(2015年7月)『[新版]子どもの身長を伸ばすためにできること』PHP研究所

身長を伸ばすために摂取したい栄養素

身長を伸ばすために必要な栄養素は、タンパク質以外にもあります。丈夫な骨を作るのに欠かせないカルシウムもそのひとつです。カルシウムの1日の摂取量は、年齢によって異なりますが、子供は大人よりも多くのカルシウムを必要としています。そのほか積極的に摂取したい栄養素として、亜鉛とマグネシウムもあります。それぞれの推奨目安量は次のとおりです。

9~11歳のカルシウムの摂取推奨目安量

栄養素 必要量 目安となる食品量
カルシウム 700mg 牛乳コップ:1杯

チーズ:1切れ

豆腐:1/2丁

ごま:小さじ1杯

納豆:1/2パック

しらす干し:大さじ1強

切り干し大根:10g

亜鉛 7mg うなぎの蒲焼き:1串

納豆:1パック

豚もも肉:80g

高野豆腐:20g

マグネシウム 350mg アーモンド:30g

いんげん豆:30g

バナナ:100g

とうもろこし:1本

木綿豆腐:1/2丁

落花生(いり):30g

方法3 身長を伸ばす食べ方|ぬかたクリニック額田成(2015年7月)『[新版]子どもの身長を伸ばすためにできること』PHP研究所より筆者作成)

食事は楽しく

家事に育児にと忙しい中での食事作りはとても大変です。「毎食、栄養素まで配慮できない」というのが正直なところでしょう。額田先生は、身長を伸ばすには楽しく食べることも大切としています。

楽しんで食べたときと、ストレスを感じながら食べたときとでは、吸収量に大きな差がつきます。とくにカルシウムやタンパク質は、リラックスして食べたほうが、効率よく吸収できます。

(引用元:額田成(2015年7月)『[新版]子どもの身長を伸ばすためにできること』PHP研究所,P17

親が食事の準備に負担を感じてイライラしていては、子供は食事を楽しむことができません。体型別の注意点をご紹介しますので、無理のない程度に食事作りに取り組みましょう。

やせている体型
または小食
栄養バランスよりもボリュームを。
少々偏ってもカロリー摂取を重視する。
普通体型 タンパク質、カルシウムをきちんと摂取する。
肥満体型 栄養バランスを崩さずに、カロリーダウンを。
高タンパク質低カロリーを心がける。

『[新版]子どもの身長を伸ばすためにできること』額田成(2015年7月)PHP研究所,P85より筆者作成)

【運動】適度な運動

子供の身長増加には、適度な運動も欠かせません。運動不足は食欲不振や不眠を招きます。額田先生は、運動自体が成長ホルモンの分泌を促すといいます。子供の身長を伸ばす適度な運動について考えていきましょう。

身長を伸ばすのに効果的な運動

身長増加に良い影響のある運動とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。額田先生の著書には以下のように書かれています。

良い運動
(無理なく楽しい運動)
おにごっこ・ドッチボール・バレエ
バレーボール・なわとび・
ジョギング・ストレッチなど
悪い運動
(負荷の高い運動)
重量挙げ・過度な運動・長距離走など

骨の発育には、骨へ縦方向の圧力がかかる運動(なわとびやバスケットボールなど)が適しているとされますが、無理やりさせるのでは逆効果です。身長を伸ばすには、情緒の安定が最も大切。額田先生は、一番いいのは子供自身に好きな運動を選ばせることだといいます。悪い運動に挙げている激しいスポーツは、身長の伸びが止まり始める高校生くらいまでは避けるようにしましょう。

外遊びは積極的に

外遊びの中には、おにごっこやドッチボール、ゴム跳びなど、身長を伸ばすために必要な運動がたくさんあります。好きでもないスポーツを無理やりさせるより、のびのびと外で元気に遊ぶほうが情緒を安定させるでしょう。体を動かすことを楽しむことが何よりも大切です。