ハロウィンってどんなお祭り?日本でのハロウィンの楽しみ方 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

ハロウィンを深堀り!起源を知ろう

では、なぜハロウィンにカボチャのランタンやお菓子、仮装という準備をするようになったのでしょうか。それぞれのアイテムの起源について詳しく解説します。

起源1:どうしてカボチャを飾るの?

ハロウィンにはカボチャを顔型にくりぬいてロウソクを立てる提灯を飾ります。この提灯をジャック・オ・ランタン(Jack-o’-lantern)と言います。

ジャック・オ・ランタンの伝説

ジャック・オ・ランタンの起源は、アイルランド民謡「ペテン師ジャック」という物語にあります。あらすじをお話ししましょう。

昔々、人をだますのが得意なジャックという名の男がおりました。ジャックが悪さばかりをしていたため、悪魔が高い値で取引される「悪人の魂」を買いに来ました。しかし、ジャックは悪魔をもだまし、死んでも地獄へ行かずに済むような契約を結びます。やがてジャックは死を迎え天国の門に行きましたが、悪事ばかりをはたらいていたため天国に入ることができませんでした。そして、生前の契約により地獄へ行くこともできません。ジャックは悪魔から炭で火を分けてもらい提灯をつくりました。そして今でも、天国と地獄を結ぶ道をジャック・オ・ランタンの明かりを持ってさまよい続けています。

下の参考サイトに「ペテン師ジャック」のお話がイラストとともに詳しく書かれていますので、ご覧になってください。

参考

ハロウィンのお話し 第1話|10月31日ハロウィン特集 はろうぃんのお話

ジャック・オ・ランタンは「ランタンを持っているジャック(男)」を意味します。それは、死者や動物の霊や人間の怨念が現れ出るといわれる日本の「鬼火」のような存在です。この物語からハロウィンのお祭りでは、死者の霊を導いたり、悪霊を追い払ったりする魔除けの道具として準備されるようになりました。

カボチャを素材として使った理由

アイルランド民謡「ペテン師ジャック」の物語の中では、ジャックが最初に火をつけたのは、萎びて転がっていたカブでした。伝説で出てくるカブは、アイルランドやイギリスでよく知られるルタバガという作物です。

ハロウィンでカボチャが素材として使われるようになったのはアメリカに伝来してからといわれており、その理由は諸説あります。

  1. アメリカではカブがほとんど栽培されていなかった。
  2. カボチャは古代アメリカ大陸での伝統的野菜で、古くは乾燥させてお皿として利用していた。
  3. カボチャは良く採れる作物で入手しやすかった。
  4. カボチャは大きくてランタンへの加工がしやすかった。
  5. ディズニーでカボチャのランタンが使われた。

今では、ランタン用に装飾加工するカボチャがハロウィンのために栽培されるようになっています。

参考

ハロウィンはカブがかぼちゃの前のもともとの野菜だった?由来・意味も|エンタメラボ

ハロウィンに飾るかぼちゃの名前と種類!かぼちゃの栄養と効能とは?|ワイドなび

起源2:どうして仮装するの?

ハロウィンの夜は怖い仮装をした子供たちが家を訪問して歩きます。なぜ普段着や可愛いドレスではないのでしょう。あえて怖い衣装を選ぶのはなぜでしょうか。

意味1:悪霊と同化する

ハロウィンの起源となった古代ケルト民族は、10月31日の夜、この世とあの世を隔てる扉が開け放たれ死者の霊が家族を訪ねてくると信じていました。そして、死者に混じって悪霊や魔女も一緒にこの世に来て、生きている人間から魂を奪うと考えていたのです。そのため、悪霊に人間だと気づかれて魂を奪われたり、子供たちが悪霊にさらわれたりしないように、悪霊や魔女に扮して過ごすようになったといわれています。

意味2:魔除け

仮装には、魔除けの意味合いもあるといわれます。本場のハロウィンの仮装は恐ろしい姿をします。そのため、悪霊や魔女を怖がらせて追い払うという意味も込められています。

起源3:どうしてお菓子をもらうの?

ハロウィンでは悪霊や魔女に仮装した子供たちが近所の家を訪問し、「お菓子をくれないといたずらするぞ!」(”Trick or Treat.”)と言ってお菓子をもらう伝統があります。この伝統はどこからきたのでしょうか。

“Trick or Treat.”と言う本来の意味

子供たちがお菓子をもらうようになった由来は次のように言われています。

農民が祭り用の食料を貰って歩いたさまを真似たもの

(引用元:ハロウィン|語源由来辞典

つまりは、もともとはお菓子ではなかったのです。ではなぜ、攻撃的なセリフを言いながらお菓子をもらうようになったのでしょうか。

”Trick or Treat.”は元々”Treat me or I’ll trick you.”といいます。

“Trick or Treat” は元々「ここで我々をもてなさなければ、次の一年間、お前たちを惑わせて困った状態にしてしまうぞ」という意味でした

(引用元:あの有名なTrick or Treatの日本語訳は意訳だった!?本来の意味とは…/トリックオアトリートで学ぶ英語のニュアンス|英語イメージリンク

つまり、元々は悪霊が言うセリフとして”Trick or Treat.”が使われていたのです。

訪問先の家人は仮装した人を悪霊や魔女に見立てます。そして食べ物を渡しておもてなしをして立ち去ってもらう、言い換えれば、追い払うわけです。

しかし、悪霊に扮しているのが子供たちなので、もてなすための食べ物がお菓子になりました。また、悪霊や魔女の「困った状態にするぞ」というセリフが「いたずらするぞ」に変わったといわれています。

TreatとTrickが反転しているのは、言いやすさの問題であるようです。

お菓子をもらえる家は決まっている?

本来お菓子をもらえる家は、ジャック・オ・ランタンが玄関先に置いてある家です。ハロウィンに参加しない家庭は、留守にしたり、ジャック・オ・ランタンを飾らずに家中の電気を消して真っ暗にしておきます。海外のハロウィンに参加する際はマナーを守ってお菓子をもらいに行きましょう。

参考

ハロウィンでなぜ仮装するようになったのか?その由来や意味!|豆知識PRESS

ハロウィンにまつわる単語 その2|フランス語の扉を開こう~ペンギンと