おもしろくなかったところは?嫌いな登場人物は?
不倫をしている母親や、若くて自分に価値のあるうちにやりたいことを全部やるのだと言ってはばからないひろかなど、親としては少し眉をひそめたくなる描写もあります。また、子供によっては、主人公や真というキャラクターが好きになれないこともあるでしょう。
そういったマイナスの印象を伴う感想も大切です。可能であれば、理由も含めてリストアップしてみましょう。
よく意味が分からなかったところはある?
「どうしてひろかは結局おじさんのところに行くのか」「主人公はなぜわざわざ人を傷つけるようなことを言うのか」など、よく分からないなと感じる言動もあるでしょう。また、「なぜプラプラは魂のホームステイなどをさせているのか」という、物語のそもそもの部分に関わる疑問もあるかもしれません。
分からなかったという感想を吟味してみると、より深く物語を味わうことができます。
どのポイントを中心に読書感想文を書くかを決める
ポイントごとのリストアップが終わったら、何を中心に感想文を書くか決めましょう。主人公たちと同年代の子供は思春期真っただ中です。登場人物たちに感情移入ができても、それを他人に伝えるために言葉にするのは少し難しいかもしれません。
親に読まれると思うと、より書きにくいと感じる子供もいるでしょう。ここから先は、程よく距離を保って見守ってあげるといいかもしれません。
まとめ
森絵都の『カラフル』について、読書感想文を書く際のポイントをご紹介しました。ライトノベル風の作風であることや、10代の性について直接的な表現があることから懸念している親もいるかもしれませんが、じっくり味わえば人との関わりや、ままならない自分自身との付き合い方についても考えることができる良作です。今年の夏の読書としてぜひ検討してみてください。
参考
森絵都(1998/7)『カラフル』理論社
「書くこと」指導への一提言:読書感想文指導を中心に|鈴木恵|新潟大学学術リポジトリ Nuar
読書感想文再考 :「感想」文指導で何を指導するか(国語科)|成家 雅史|東京学芸大学リポジトリ
カラフルの読書感想文 高校生ならどう書く【600字の例文つき】|笑いと文学的感性で起死回生を!@サイ象