『カラフル』あらすじ・読書感想文書き方紹介。カラフルの意味とは

森絵都著の『カラフル』は自殺や援助交際といった社会問題になる事柄も扱いつつ、自分や他人とどう関わっていけばいいのかもがく10代を励ます内容になっている作品です。今回は子供が『カラフル』で読書感想文を書く親向けに、あらすじや各ポイントを解説します。

『カラフル』登場人物とあらすじ

まずはおおまかな内容を把握しましょう。この記事では、理論社から出版された『カラフル』初版(2000年9月第24刷)を使用しています。現在『カラフル』は加筆修正を加えられて講談社から単行本、文藝春秋社から文庫が出版されています。現行版とは内容に軽微な変更があるかもしれませんのでご了承ください。

登場人物紹介

まずは登場人物を紹介していきます。ここから先は内容に関わる説明がありますので、未読の子供には読ませないことをおすすめします。

  • ぼく:主人公。一度死んで魂になったが、もう一度生き直すチャンスを与えられて「魂のホームステイ」に出かける。
  • プラプラ:「ぼく」担当の天使。ホームステイする人間や家族、周囲の人間関係についてレクチャーしてくれる。神出鬼没でざっくばらんな性格。
  • 小林真:「ぼく」のホームステイ先にあたる体の持ち主。中学3年生。本人は服薬自殺を図っており、臨終間際に「ぼく」が入り込んだ。身長が低く見た目がさえない。美術部所属で絵を描くのが好き。
  • 父親:真の父親。思ったことがすぐ言葉や態度に出てしまうタイプ。勤めている会社の不祥事でポストが空き、昇進した。
  • 母親:真の母親。家庭的に見えるが大きな秘密を抱えている。
  • 小林満:真の兄。高校3年生。とある理由で進路志望を大きく変更する。
  • 桑原ひろか:中学2年生。真の初恋の相手。美術部によく遊びに来る。お金のために援助交際をしている。
  • 佐野唱子:真の同級生で美術部員。真の雰囲気が変わったことに気づいて「ぼく」を慌てさせる。

あらすじ

続いてはあらすじをご紹介します。

主人公「ぼく」は死んで魂になっていました。そこへプラプラと名乗る天使が現れて、「セカンドチャンスを与えるので別の人間として生き直せ」と言います。前世の記憶のない「ぼく」は、生きているときに犯した大きな過ちを思い出す必要があるのです。

「ぼく」が「ホームステイ」することになったのは小林真という中学3年生。学校でのいじめ経験に加え、ひろかの援助交際、母親の不倫を同日に見てしまいます。ショックを受けているところに帰ってきた父親は、上司の不祥事に心を痛めるどころか酔っ払って上機嫌でした。

すべてが嫌になってしまった真は服薬自殺を図った、というのがプラプラの説明でした。

入り込んだ「ぼく」は小林真として生き直すことになります。プラプラが教えてくれたりくれなかったりする知識に助けられながら、周囲の人との関係性を築いていくことになりますが、家族はもちろん、ひろかや唱子との間柄もいまいちうまくいきません。

軋轢を重ねながら、「ぼく」は次第に周囲の人々の意外な一面を知っていくことになります。それは真がまったく気づかないままに死んでしまったものでした。

真は大切なことに気づけていなかった、やり直しのチャンスは真にこそ必要だと考えた「ぼく」は、プラプラに「この世界に真を返してやりたい」と相談します。しかし、そのためには「ぼく」が真の体からいなくなることが必要です。

前世で犯した過ちを思い出さなければ、「ぼく」は真から出ていけません。何も思い出せないでいる「ぼく」でしたが、唱子が言った言葉が大きなヒントになります。

小林くん、すごくかわったけど、でも根っこのところはかわってない

(中略)

だって小林くんの描く絵はかわらなかったもの

(中略)

その独特の色づかい。筆のタッチや、キャンバスにむかう目つきまで、やっぱり小林くんは小林くんだった

(引用元:森絵都『カラフル』理論社 253-254ページ)

「ぼく」とは自殺した小林真本人だったのでした。