『西の魔女が死んだ』読書感想文のためのあらすじ・書き方紹介 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

有名なエピソード

『西の魔女が死んだ』は映画化されているので、そちらは見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。映画でも使われていた、ラストのメッセージが特に印象に残っている人は多いでしょう。

ニシノマジョ カラ ヒガシノマジョ ヘ

オバアチャン ノ タマシイ、ダッシュツ、ダイセイコウ

(引用元:『西の魔女が死んだ』梨木香歩 新潮社 190ページ)

一緒に暮らした1ヶ月ほどの間にまいはさまざまなことをおばあちゃんと話し合います。そのうちの1つが「死について」でした。

まいは昔パパから「人は死んだらそれで終わりで、あとには何も残らない」と言われてから死を恐れるようになっていました。おばあちゃんは、死後の魂についての持論を語ります。そして、もし死ぬときに体から魂が脱出できたら、それを必ずまいに伝えると約束するのです。

また、こちらのおばあちゃんの言葉も少し有名です。

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか

(引用元:『西の魔女が死んだ』梨木香歩 新潮社 162ページ)

逃げたいという思いや、自分の居場所に悩むことは、子供に限らず大人も何度となく経験します。この言葉に勇気を与えられる読者も少なくありません。

読書感想文の書き方とは?子供がどう読んだかが大切

ポイントに沿ってリストアップしてみよう

『西の魔女が死んだ』は、読む人の年齢や立場によっても読み方が大きく変わってくる作品です。親の心に残るところと、子供が楽しめるところは別々になるかもしれません。まずは、子供がどう読んだかを大切にして、以下のポイントをまとめてみましょう。

おもしろかったところは?

植物や動物に関心のある子供なら、まいとおばあちゃんが鶏の世話をしたり、畑仕事をしたりするところをおもしろく読めるでしょう。一方、わくわくするような冒険や大事件があるわけではないので、子供によっては非常に単調に感じることもあるかもしれません。

心に残っているところは?

まいがゲンジさんに対して抱く嫌悪感は、特にまいと同世代である、思春期の子供であれば共感しやすいところではないでしょうか。また、学校に行きたくない、人間関係がつらい、という悩みも、同世代の子供には受け入れやすいでしょう。

一方、親としてはパパが単身赴任であるところや、ママが簡単にまいをおばあちゃんに預けてしまうところが気にかかったりするかもしれません。また、女性が社会に出て働くことに対して、おばあちゃんとママは根本的に考えが食い違います。大人は自分の体験に照らし合わせて印象に残りやすいでしょうが、子供はさらっと読み飛ばしてしまうかもしれません。