両親の頭の良さ、IQは子供に遺伝する?しない? - cocoiro(ココイロ) - Page 2

頭の良さが遺伝しない派の主張

10歳までの過ごし方が重要

同志社大学生命医科学部医生命システム学科の石浦章一教授によると、人間の持つ約2万の遺伝子のうち知能に影響を与える遺伝子は約1万個だそうですが、もっと重要なのが幼児期の過ごし方だといいます。

「子供の“頭のよさ”は、遺伝といった先天的な要素よりも、教育や環境などの後天的な要素が大きいと見られているのです。子供の脳の神経細胞がもっとも発達するのは1歳から2歳にかけてです。このときに脳神経が爆発的に発達し、その後、数年かけて余計なものを整理し、10歳くらいで神経細胞は必要な数まで下がり安定します。1~2歳のときの神経細胞を増やすことが重要なので、そのためには、この時期に十分な栄養をもらっている必要があります。さらにその後は、脳神経のつながりを形成するための知的な刺激を受けることが重要になります」

(引用元:頭の良さは母親からしか遺伝しない説は本当?「わが子終わった」の声も|Livedoor NEWS

十分な栄養素を取ることや、両親との良質なコミュニケーションが大事で、後天的な影響が大きいと考えられています。

あくまで環境要因によるもの

また、前述の安藤寿康教授は、学力遺伝の影響の残り半分、50%が環境要因によるものと認めています。

「たとえば、同じ遺伝的素養があっても、環境によって、現実のものとして発現する場合としない場合があるんです。問題行動の遺伝的素養は、しつけが厳しすぎたり一貫していない家庭のほうが強く出る傾向があり、しつけが厳しすぎず、一貫している家庭ではあらわれにくい。また、読み聞かせをした子の問題解決力が高くなったり、無理に何かをさせず自由にさせていた子のほうが、知的能力が高くなるという結果も出ています」

(引用元:ナショナル ジオグラフィック|「研究室」に行ってみた。 行動遺伝学・教育心理学 安藤寿康 第4回 ドッキリ企画!双子を内緒で交換したら

子供が遺伝子の素質を必ずしも発揮させるとは限りません。その資質を発現できるかは、環境要因によるようです。両親の知能、学力だけを考えて、子供の頭の良し悪しについて考えるのではなく、子供にとってベストな環境を提供するよう考え続けるのがいいのかもしれません。