近年の猛暑傾向もあり、夏期の冷房代に頭を悩ませている人は多いのではないでしょうか。省エネ家電としての扇風機にも注目が集まっていますが、省エネ方法を探っていくと、話は小学校や中学校で習う理科の領域へと行き着きます。省エネを考えるために、子供と一緒に理科をおさらいしてみませんか? さらに我が家の節電プランも立ててみましょう!
もくじ
扇風機の電気代を決める「消費電力」を知ろう
家電の消費電力とは?
家電製品の裏面などを見てみましょう。製品表示の中に「消費電力」という表示があるはずです。消費電力とは、電流を流すとどのくらいのパワーを発揮するかを示すもので、単に「電力」とも言います。例えば消費電力の大きい電球の方が明るく光りますし、高い温度で熱することができたり、ハイパワーで稼働したりするのです。
消費電力の計算方法
電力は次のような式で計算できます。
電力W(ワット)=電圧V(ボルト)×電流A(アンペア) |
家電製品の消費電力表示は、何Vで使うと何Wの力を発揮するか、電圧と電力の両方が書いてあります。その表示からどれぐらいのアンペアの電流が流れるかを求めるには、次の式を使います。アンペアを求める計算式は、後ほど契約アンペアの話が出てきたときに使いますので覚えておいてください。
電流A(アンペア)=電力W(ワット)÷電圧V(ボルト) |
参考
扇風機の消費電力を変える「モーターの違い」を知ろう
扇風機のモーターにはDCモーターとACモーターがある
扇風機の羽根を回転させるモーターには、DCモーターと呼ばれるものとACモーターと呼ばれるものの2種類があります。従来の扇風機には、ACモーターが使われてきました。一方、最近増えてきた高性能扇風機で使われているのが、DCモーターです。
DCモーターとACモーターの違い
DCモーターは直流モーター(direct-current motor)、ACモーターは交流モーター(alternating-current motor)のことを指します。モーターを動かす電気の流れが、それぞれ直流と交流という違いがあるのです。
DCモーターには磁石が使われていて、電気を流すと磁力との関係で方向性を持った力が発生し、モーターが回転します。ACモーターでは波形をずらした電流を流すことで磁石を回すのと同じ状態を作り出し、磁界の変化から生じる吸引力で回転させるのです。
DCモーターの回転力や回転速度は電圧や電流の大きさで決まり、高速から低速まで安定して制御します。ACモーターは流す電流の周波数で回転速度が決まるので、それほど滑らかな制御ができません。
DCモーターとACモーター、どちらが省電力?
回転制御の仕組みから、DCモーターには風量調節がきめ細かくでき、最小出力で微風運転ができるという特徴があります。ACモーターはそこまで風量調節できず、「弱・中・強」の3段階のものがほとんど。「DCモーター搭載の扇風機は省エネ」と言われるのは、電流と電圧を小さくして回転を少なくするため、微風運転時に消費電力を小さく抑えられるからです。
参考
家電エキスパートがおすすめする扇風機5選とタイプ別37選|マイナビおすすめナビ