2015年に学習指導要領が一部改訂され、道徳の授業は小学校が2018年度、中学校は2019年度から特別教科「道徳科」という位置づけになります。教科化されたということは通知表で成績として表示されることになるのですが、いったいどのようにして子供の「心の成長」を評価するのでしょうか。教師の道徳科の成績を付ける判断材料と通知表の書き方をご説明します。
もくじ
道徳教育を評価する目的とは
1900年代初期に活躍し、26歳で亡くなった金子みすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」の一節に「みんなちがって、みんないい」というものがあります。それぞれが違っていることに優劣を付ける必要はないという節が長く親しまれています。
道徳科として特別教科化するということは、成績を出すということです。つまり、それぞれの児童が持つ内面の道徳観を評価し優劣を付けることになるのです。道徳教育を評価する目的は何なのでしょうか。
山梨県総合教育センターの「道徳教育における評価」で、評価の意義と留意点について書かれたところを抜粋しました。
【評価の意義】
道徳教育における評価は,教員が児童生徒の人間的な成長を見守り,より よく生きようとする努力を評価し 勇気づけることが第一の役割です また , 各教科等の評価と同様,児童生徒にとっては自己の変容や成長を自覚するた めのものであり,教員にとっては,指導計画や指導方法を改善するための契 機になるものでなくてはありません。
(引用元:道徳教育における評価 P54|山梨県総合教育センター)
つまり道徳科の評価は、児童にとっての道徳学習の励みになり、学ぶ意欲を高めることができ、継続的な成長の把握に役立つといいます。また、教師にとっては道徳教育の指導の改善と充実を目指すための道しるべとなるのです。
児童の良い点や道徳性の成長を評価することは、児童と教師の両者にとって意味があると考えられています。