『白鳥の湖』のあらすじと有名な曲
バレエには歌やセリフがないため、ダンスや音楽を楽しめてもストーリー展開がよく分からないことがあります。予習として、『白鳥の湖』のあらすじと有名な楽曲を以下でご紹介します。
登場人物
オデット(白鳥)
『白鳥の湖』のヒロインです。元は美しい人間の女性でしたが、悪魔の呪いで白鳥に姿を変えられてしまいます。夜だけその呪いが解け、人間の姿に戻ることができます。出自や家族などの来歴は劇中で語られないことがほとんどです。
オディール(黒鳥)
悪魔の娘です。オデットのライバルですが、舞台ではオデット役が1人2役を演じることが一般的です。
ジークフリート
国の王子。モラトリアムを満喫したい年ごろですが、成人を迎えるため伴侶を選ぶことを迫られています。
ロットバルト
オディールの父親である悪魔。オデットに呪いをかけた張本人です。
白鳥たち
劇中にたくさん登場する白鳥たちは、すべて悪魔に呪いをかけられた人間の女性の姿です。
序奏
(出典:Tchaikovsky バレエ「白鳥の湖」より序奏(Introduction)~第1幕情景(Scene)(ブルレスカ編曲版) | YouTube )
物憂げなメロディーで始まる序奏。オデットが花畑で花を摘んでいると、悪魔がやってきて彼女を白鳥の姿に変えてしまいます。
第1幕 王宮の前庭
(出典:白鳥の湖よりワルツ〜ワールドシップオーケストラ〜 | YouTube)
場面転換して王宮になります。ジークフリートが21歳の誕生日を友達と祝っていると、母親が現れます。母親に翌日の舞踏会で妻を選ぶようにと言い渡され、まだ結婚したくない王子は物思いにふけりながら湖へと出かけます。
動画の「ワルツ」はジークフリートが友達とダンスを踊る場面で使われており、第1幕の中で最も有名な楽曲です。
第2幕 静かな湖のほとり
(出典: P.I.チャイコフスキー/バレエ音楽「白鳥の湖」 情景(第二幕) | YouTube)
湖に出かけたジークフリートは、夜になって白鳥たちが人間の姿に戻るところに遭遇してしまいます。その中でも特に美しいオデットに恋をしたジークフリートは、彼女の呪いを解く方法を教えてもらいます。
それはまだほかの女性を愛したことのない男性に、永遠の愛を誓ってもらうという内容でした。ジークフリートはオデットに、翌日の舞踏会にぜひ来てくれと頼みます。
動画の「情景」は『白鳥の湖』の中でも最も有名な楽曲ではないでしょうか。ほかの楽曲を聴いたことがなくても、「情景」の主旋律はどこかで耳にしているはずです。
第3幕 王宮の舞踏会
(出典:第55回発表会 第一部 白鳥の湖 第3幕 | YouTube)
舞台は翌日の舞踏会に飛びます。まず世界各国の踊りが披露されます。その後オデットが現れるかと思いきや、登場したのは黒鳥のオディール。
しかし、ジークフリートはオディールを妃に選んでしまいます。ジークフリートは悪魔の呪いで目が曇らされ、オディールがオデットに見えていたのです。
その様子を見守っていたオデットはショックを受け、湖の白鳥たちに伝えるためにその場を去ります。ジークフリートも騙されていたことに気づき、嘆きながら湖に向かいます。
動画は長めのものを紹介しています。各国の踊りが紹介されるというコンセプトの幕なので、衣装もさまざまで踊りが大変華やかです。
第4幕 もとの湖のほとり
(出典:P.I.チャイコフスキー(編曲 林紀人)/ バレエ音楽「白鳥の湖」 終曲 | YouTube)
湖でオデットはジークフリートが裏切ったことを嘆きます。ジークフリートが謝罪をしていると、そこに悪魔が現れます。ジークフリートは戦いを挑み、見事に悪魔を打ち破ります。しかし、白鳥たちの呪いは解けませんでした。
絶望したジークフリートとオデットは来世を誓い、湖に身を投げます。
近年では悪魔を打ち破ると白鳥たちの呪いが解けるというハッピーエンドバージョンも演じられるようになりましたが、オリジナルは悲恋の物語となっています。