学級崩壊する先生の4つの特徴と学級崩壊を防ぐために親ができること - cocoiro(ココイロ) - Page 2

教師経験5年未満の経験不足型

経験の浅い先生が初めて担任を持つ場合も、学級崩壊することがあります。学校の教師の仕事内容は、学習指導にとどまらず、生活指導、保護者対応、その他校務など多岐にわたります。教育実習、塾講師や児童館などでアルバイトした経験があっても、教師の仕事内容の複雑さには対応しきれません。

また、他地域から転任してきたばかりの先生も、学級を危機的状況に陥れることがあります。赴任した地域の実態、子供の状況をよく理解しておらず、子供や保護者との信頼関係も構築することができておらず、学級経営が難しくなるのです。

学級崩壊の原因は先生だけではない

先生の指導力不足が学級崩壊の大きな要因となり得ることは事実ですが、だからといってすべての責任が先生にあるわけではありません。学級崩壊に至る要因には、学校の支援体制、保護者の認識、子供個人の問題、社会情勢、先生の勤務状況などさまざまなものがあります。

例えば昔は、教師と言えば人々に尊敬される知識人でした。しかし、近年は親が高齢化・高学歴化する一方で、教師は若年化する傾向があります。親が教師を「今どきの若者」程度にしか見ていなければ、子供も教師を信頼しません。

  • 全国の小中学校の教員年齢比較(今回調査:2016年、H18年度調査:2006年)


(参照元:教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果及び確定値の公表について(概要)|文部科学省、P7

また、近年、学校教育に求める内容が複雑化、多様化し、そのしわ寄せが教師の勤務時間増となって表れています。勤務時間が長ければ長いほど、教員の精神的なストレスが高まります。必要な人員を確保せずに、先生の役割だけを増やしたツケは、結局子供たちが払わねばならないのです。

  • 全国の小中学校の教員勤務時間比較(今回調査:2016年、H18年度調査:2006年)


(参照元:教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果及び確定値の公表について(概要)|文部科学省、P13

  • 全国の小中学校の教員勤務時間別ストレス値(5点以上で高ストレス状態)


(参照元:教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果及び確定値の公表について(概要)|文部科学省、P15

学級崩壊の防止・改善のために、親ができること

学級崩壊の対策には3段階あります。

(1)事態として本格化した学級崩壊の解決を図る

(2)学級崩壊をできるだけ初期の段階で発見し、介入する

(3)そもそも学級崩壊が起こらないような、児童・生徒・教員の人間関係づくりを図る

(引用元:学級運営等の改善を図るための指導事例集|埼玉県教育委員会

(1)の事態が本格化してから、解決するには時間がかかるだけでなく、担任交代などの強硬手段でも解決できない場合があります。したがって、(2)のように早期発見して対処するか、できれば(3)のように未然に防ぐのが効果的です。そのために、保護者ができることは何でしょうか。

先生や学校とのコミュニケーションが解決への鍵

学級崩壊だけでなく、すべての問題への対策として最も有効なのが、日ごろからのコミュニケーションです。家庭内のコミュニケーション、学校とのコミュニケーション、保護者間のコミュニケーションがうまくいっていれば、問題の予兆も発見しやすく、早期に効果的な対策が打てるでしょう。大切なことは、クラスの風通しを良くすることです。

ボランティアなどに積極的に参加し、学校へ出向く機会を設けましょう。子供はクラスという集団に入ると、個人的な性格からは想像できないような行動をとることがあります。子供の話だけを聞いて先生を批判していた親が、子供の学校での姿を目の当たりにして、家での姿とのギャップに驚くこともあります。先生と問題を共有できれば、協力関係を築きやすいでしょう。