重陽の節句とは?昔から伝わる「菊の節句」の楽しみ方 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

自宅で楽しむ重陽の節句

重陽の節句には、桃の節句で飾ったひな飾りをもう一度飾る以外にも、さまざまな楽しみ方があります。

菊酒と菊花茶

重陽の節句には、昔から酒に菊の花を浮かべた菊酒を飲む習慣がありました。未成年の子供と祝う場合には、菊酒の代わりに菊花茶を飲むといいでしょう。菊花茶は漢方では眼精疲労に効くと言われ、ノンカフェインですから子供でも安心です。氷砂糖か蜂蜜を加えると、子供にもおいしく飲むことができます。

被せ綿(きせわた)

平安時代の貴族の間に、重陽の節句の前夜に菊の花に綿をかぶ、翌朝菊の香りとつゆを含んだ綿で体をふく習慣がありました。菊の霊験(れいげん)により、長生きできると信じられていたためです。菊の節句に合わせて菊を飾り、趣き深い貴族の風習を子供と再現してみましょう。

菊湯

端午の節句の菖蒲(しょうぶ)湯は有名ですが、重陽の節句には菊の花を浮かべた菊湯に入ります。菊の解毒作用で夏の疲れを取ることができます。

菊湯の作り方

  1. 菊の花(乾燥)30gをお茶パックに入れる。
  2. 洗面器に置き、上からお湯をかけて15分蒸らす。パックごと浴槽に入れてよくかき混ぜる。

(引用元:柚子湯に菖蒲湯 日本の文化「季節風呂」を楽しもう|FURO ZUKI

菊枕

菊の花びらを集めて作った菊枕は、昔から安眠の効果があると重宝されています。菊の花びらを100~300枚、天日で干してガーゼで作った袋に詰めます。それを普段使っている枕に乗せて使います。

食用菊

お刺身の飾りに使われることの多い食用菊ですが、実は、簡単な処理でおいしく食べられます。色が美しいだけでなく、ビタミンが豊富で優れた解毒作用があります。下ごしらえをしてから、ゆでたほうれん草やきのこと合わせておひたしにしたり、甘酢につけてちらし寿司やサラダに入れたりしていただきます。

食用菊の下ごしらえのしかた

  1. がくから花びらだけをむしり取り、水洗いをする。
  1. 酢大さじ1を入れた熱湯で①の菊をさっとゆで、冷水にとり、水を切る。


(出典:菊の甘酢漬け|オレンジページ

菊の形の練り切り

重陽の節句の季節になると、菊をモチーフにした和菓子が販売されます。和菓子を買ってきて、おやつの時間に季節を堪能しましょう。工作好きのお子さんなら、菊の形の練り切り作りに挑戦するのもよいでしょう。練り切り餡は和菓子屋やインターネットで購入できます。

参考
切菊・練りきりの作り方の動画|和菓子の早稲田屋

栗ご飯

旧暦の9月9日は農作物の収穫の時期でもあります。昔、庶民の間では重陽の節句を「栗の節句」と呼び、栗ご飯を食べて秋の収穫を祝う習慣がありました。

三九日(みくんち)茄子

旧暦9月の「9日、19日、29日」の3回の9のつく日は、三九日(みくんち)と呼ばれます。この9 のつく日になすを食べると中風にならないという言い伝えがあり、なす料理を食べる習慣があります。