バトンをロスなく渡す3つの方法
リレーで優勝するためには、バトンを渡す時間を極力短くすることが大切です。また、次の走者が助走を始め、トップスピードになったところでバトンを渡しましょう。バトンを渡すタイミングは頭では分かっていても、いざやってみるとかなり難しいものです。本番までに繰り返し練習して、時間のロスをなくしましょう。
バトンの持ち手を決める
前走者からバトンを受け取り、走っている時にバトンを持ち替えると失速してしまい他のランナーに追い抜かれる場合があります。ですから、受け取ったバトンは持ち替えずに次の走者に渡しましょう。
また、次の走者にバトンを渡すときは、次の走者とぶつかることを防ぐため、前走者が右手にバトンを持っていたら次走者の左手に渡すようにしましょう。
1走者「右手」、2走者「左手」、3走者「右手」……のようにバトンの持ち方は各ランナーの間で事前に決めておくべきです。
テイクオーバーゾーンギリギリで渡す
バトンを受け渡しできるエリアをテイクオーバーゾーンといいます。次走者はこのテイクオーバーゾーンで助走をし、テイクオーバーゾーンギリギリでバトンを受け取ったほうがトップスピードでスタートを切ることができます。
トップスピードでスタートが切れるかどうかがリレーの勝敗を大きく分けることになります。前走者がバトンを離すタイミングと次走者がバトンを握るタイミングが合わず、テークオーバーゾーンの中でバトンを落としてしまうことがよくあります。次走者がテークオーバーゾーンで走り出すタイミングは、前走者の走るスピードや残ったスタミナによって変わります。ただバトンの受け渡しの練習をするのではなく、実際にトラックを走りテークオーバーゾーンの中ギリギリでバトンを渡す練習をしたほうがいいでしょう。
練習ではうまくいっても本番の緊張とスタミナ切れでバトンを渡すタイミングが狂ってしまうことがあるかもしれません。本番は前走者と培ってきた練習を信じて臨みましょう。
アンダーハンドパスでロスなくバトンを渡す
バトンパスは「オーバーハンドパス」と「アンダーハンドパス」の2種類あります。
一般的なのはオーバーハンドパスで、次走者が腕を方の位置まで上げ、バトンを受け取る方法です。オーバーハンドパスは次走者の手が逆向きになり、バトンを落としてしまう可能性が高く、窮屈な姿勢になるので走る姿勢になるまでに少し時間がかかります。
一方、アンダーハンドパスは、以下のようなメリットがあります。
このパスでは、もらい手が手のひらを地面に向け、渡し手がアッパースイングのように下から上にスイングしてパスを行います。
このパスではオーバーハンドパスに比べて両者の距離が近く、利得距離はあまり稼ぐことができません。
しかし、アンダーハンドパスではもらい手が無理に手を挙げる必要がなく、疾走フォームを大きく崩すことなくもらい手がスムーズに加速することができます。
(引用元:日本バトンパスの秘密|TRAC)
日本代表もアンダーハンドパスを採用しており、ロスなくバトンを渡すことができるメリットがあるとしています。一番大事なのはバトンを落とさないこと。オーバーハンドパスにするかアンダーハンドパスにするか各走者で話し合ってみてもいいでしょう。