小学生の課題で多い作文ですが、答えが決まっているわけではないので、他の教科に比べて目に見えて実力をつけることが難しくなっています。そこで当記事では、小学生でも実践できる「作文の書き方」について、8つのステップでご紹介します。記事の最後にはコンクールの情報も載せてあります。
もくじ
作文の書き方8ステップ
作文を書くときにつまづきやすいのが、どんなテーマについて書いていいか分からないということと、テーマについて話を膨らませることができないということです。
これをを踏まえて、作文を書く流れを8つのステップに分けてご説明します。
ステップ1 テーマを決める
テーマを決めるには、「感情」が伴っていることを振り返ることをおすすめします。子供でも大人でもそうですが、「楽しかったこと」や「おもしろかったこと」「悲しかったこと」「寂しかったこと」などの感情が伴っていることは、よく覚えています。また、自分の感情が動く出来事は、体験したことや共感できることがほとんどです。
例えば、「動物園に行ったときに、思ったよりも動物が大きくてびっくりした」という感想を持ったなら、「動物園」を作文のテーマにすることができます。
子供がテーマ選びで悩んでいるようなら、「どんな事が楽しかった?」、「おもしろかったことは何?」などと問いかけてあげるといいでしょう。
ステップ2 言葉集め
書くテーマが決まったら、そのテーマについてどんなことが書けるのか、言葉を集めていきましょう。小学校の国語の授業でも行われることがありますが、マインドマップというやり方がおすすめです。
例えば、「動物園」で書くとしたら、動物園で見た動物をどんどん紙に書いていきます。また、そこで感じたにおいや天気のこと、食べたもの、家族や友達との会話を書いてもいいです。
言葉を集めていくうちに、詳しく書けそうなことが分かってきます。「トラ」について、「かっこよかった」「ライオンよりも大きかった」「鳴き声を初めて聞いた」「しっぽがながい」「絶滅危惧種であることを知った」「自分の干支はトラだ」というように、考えを深めることができたとします。それができたら、そのことについて書くことができる証拠です。
ステップ3 書くことを決める
言葉をたくさん集められるだけ集めたら、詳しく書けそうなことを探します。いくつか詳しく書けそうなことが会った時は、2つのことについて書いてもいいですし、1つに絞ってもいでしょう。
ただし、4つも5つも書いてしまうと、ただの箇条(かじょう)書きのような文章になってしまいます。なるべく書く内容は1つに絞ることをおすすめします。その方が表現の工夫も出てきます。
ステップ4 構成を考える
作文の構成は、「はじめ・なか・おわり」の3つです。高学年になると、「起承転結」となりますが、基本的には、「書くことの前提説明」「そこでの出来事」「自分が思ったことのまとめ」です。
動物園に行った例で言うと、「はじめ」は動物園に行ったことを書きます。「なか」は、動物園で出会った動物についてやそこで起こった出来事を書きます。「おわり」は、今回の体験や感じたことを踏まえて、これからどうしていきたいかなど自分の考えを書いてまとめるものです。
ステップ5 下書き
構成まで考えることができたら、ひとまず書いてみましょう。書く前からあれこれ考えてしまうとなかなか進みません。
途中で修正するつもりで、書きたいことをどんどん書いていきます。プロの作家でも自分が書き終わった後に推敲(すいこう)して訂正を加えることは当たり前です。一度で完成させようとする必要はありません。
ステップ6 書き出しを工夫する
下書きの時に意識したいポイントは書き出しです。書き出しを工夫するだけで、その作文の読み手を惹きつけることができます。
例えば、シンプルにこれから書くことを伝える方法です。「〇月〇日に家族で動物園に行きました」という書き出しです。読み手は、動物園に行った話が書かれていると伝えることができます。
また、いきなりセリフで始まると臨場感があります。「うわ、大きいね」「本当だ。図鑑で見るよりも大きいな」という書き出しです。読み手も一緒に動物園にいるような気持ちになり、作文にひきこまれます。
他にも、「パオーン」や「ドンドンドン」というような、鳴き声や音を使う方法もありますし、「みなさんは動物園に行ったことがありますか?」というように、読み手に問いかける方法もあります。
ステップ7 声に出して読む
下書きができたら、一度声に出して読んでみましょう。書いた作文を声に出してみることの意味は、表現が統一されているかや句読点が正しく打てているかを確認することです。
声に出すと、「ですます調」で統一できていないとすぐに分かります。また、読点がないと読んでいて息苦しくなってしまいますし、多すぎると途切れ途切れで意味が分かりづらくなります。
ステップ8 清書する
声に出して読んでみて、おかしいと思う部分があったら修正を加えて、作文用紙に清書するようにしましょう。
清書するときは、作文用紙の使い方に注意して、ていねいな字で書くことを意識しましょう。同じ内容でも、字のていねいさで読み手の気持ちは変わります。きれいであることよりも、ていねいであることを意識しましょう。
読み手をひきつける表現の工夫
作文を書くときに、表現の工夫をするだけで、同じ内容でも全く違った印象を与えることができます。
気持ちを書く
自分の感じたことや考えていたことを書くようにしましょう。ただ気持ちを書くというと「楽しかった」「面白かった」という簡単な表現で終わってしまいます。そこで、有効なのが、「楽しかった」や「面白かった」という簡単な表現を控えることです。
他の表現方法を考えるようになるので、他とは違った個性的な表現をすることができます。
セリフを書く
書き出しの工夫でも書いた通り、セリフを入れると作文に臨場感を生み出すことができます。また、適度に段落が変わるので、見た目がスッキリして読みやすくなります。
オノマトペを使う
宮沢賢治氏がオノマトペの上手な使い手として有名ですが、擬態語や擬音語などの音を使ってみましょう。
例えば、「見る」という動作にもオノマトペを使うと「ジロジロ見る」「ちらっと見る」「こっそり見る」など表現を豊かにすることができます。
比喩を使う
高学年であれば、比喩を使う方法も効果的です。「まるで○○のようだった」というスタンダードな表現方法を押さえておくだけで、何通りもの表現をすることができます。
また、比喩をすることで、読み手に自分の個性や感じ方を伝えることもできるので、おすすめです。
小学生が応募できる作文コンクール
①「いつもありがとう」作文コンクール
朝日小学生新聞とシナネンホールディングスグループが行っている「ありがとう」をテーマにした作文コンクールです。
参考
「いつもありがとう」作文コンクール|シナネンホールディングスグループ
②角川つばさ文庫小説賞
小中学生が応募できる内容自由の小説を応募できる取り組みです。作文とは少し異なりますが、青春・ファンタジー・恋愛・SFなど、書くことが好きなら挑戦する価値ありです。
③全国小・中学生作文コンクール
1951年にスタートした歴史の長い作文コンクールです。主催は読売新聞で、文部科学省や各都道府県の教育委員会が後援しています。
誰かに読んでもらう
いきなりコンクールに応募するのはハードルが高いな…、でも誰かに読んでもらいたい!評価されたい!という方にお勧めなのは、作文のプロに添削してもらうことです。子供の作文を読んで客観的に評価し、細かな指導を受けることができます。
この記事では、作文の添削サービス「齋藤孝とつくる本 いますぐ書けちゃう作文力」の著者でもある明治大学の齋藤孝先生監修「ブンブンどりむ」を紹介します。
ブンブンどりむは利用者の95%が中学受験にも役立ったと回答しており、子供の作文力を上げるのにおすすめの教材です。このようなサービスを使う時の参考にしてください。
まとめ
いきなり400字の原稿用紙に向き合うのではなく、自分の体験に照らし合わせてどんなことを書いたら読む人は楽しいのか? どんな表現をしたら上手に読み手に伝わるのか? など、読み手を楽しませるつもりで取り組むと、作文の宿題も楽しくなるかもしれません。
テーマ探しや言葉集め、表現の工夫など、子供の考えを引き出すサポートをしてあげてください。
参考
Z会作文クラブ|Z-KAI
全国小・中学校作文コンクール|読売新聞
【小学生の作文】夏休みの宿題がスラスラ書けちゃうコツの2大ポイント!|コミュニケーションBLOG
小学生が書く作文が良くなるコツをコンクール入賞作品を読んで探ってみた|小学校入学女子のママ日記
夏休みの宿題! 小学校1年生の作文にてんてこまい|あんふぁん
作文の書き方【小学生の夏休みの宿題】|コミュニケーションBLOG
すらすら簡単 小学生の作文の書き方はワークシートを使って 例と見本も|こはる通信
「いつもありがとう」作文コンクール|シナネンホールディングスグループ
こども部門応募の決まり|角川つばさ文庫
全国小・中学生作文コンクール|読売新聞