端午の節句のお飾りの定番。どうして兜と鎧を飾る? - cocoiro(ココイロ) - Page 3

知って得する「端午の節句」の豆知識

初節句とは

子供の誕生後、初めて迎える節句を「初節句(はつぜっく)」と言います。現代のように医療の発達していなかった江戸時代においては、せっかく生まれた赤ちゃんが病気や怪我のためにすぐに亡くなってしまうこともありました。

そこで赤ちゃんの健やかな成長や厄除けを願うために行われていたのが、初節句です。基本的には生まれて初めて迎える5月5日を初節句とします。しかし、4月に生まれたばかりの新生児に対して、いきなり行事をしてあげるのも難しいでしょう。お宮参りより、初節句の近い場合には、なるべく翌年の5月5日を初節句として、お祝いした方がいいでしょう。

お祝いの仕方

端午の節句のお祝いは、本来5月5日当日に行います。しかし、前日の夜に「宵節句」として、お祝いを執り行ってもいいでしょう。両家の両親や事前にお祝いをくれた方、親しい方たちなどを招きます。食事は、鯛や栗、粽(ちまき)や柏餅などを用意します。また厄除けとして使われる菖蒲を家の屋根や軒先に飾ったり、お酒に浸して飲んだりします。枕の下に菖蒲を引く菖蒲枕、お風呂に入れる菖蒲湯などでも厄除けはできます。

お祝いのお返し

初節句でお祝い金を包む場合はどれぐらいの金額がいいのでしょうか。

親族や仲人であれば10,000~20,000円ほど、友人で5,000~10,000円ほどが目安です。祝儀袋は紅白の蝶結び、表書きを「初節句御祝」「御祝」にして準備します。手土産には、お菓子や果物などが喜ばれます。

お祝いをお返しする場合は、お祝い日から一週間以内にするのが目安。子供の名前で、内祝いにします。お返しの品には粽(ちまき)を使用するのが通例です。お赤飯や紅白の角砂糖もおすすめです。また、お返しの際に御礼の手紙や赤ちゃんの写真をつけて送ると、赤ちゃんの成長を見ることができて喜ばれるはずです。ちなみに、お祝いの席に招いた方へのお返しの必要はありません。

飾る日と片付ける日

五月人形は、2月下旬から4月下旬ころに店頭へ並びます。早めに店頭に向かった方が、十分な選択肢の中から気に入った商品を選べます。

基本的には、一つの飾りで守れるのがお祝いした子供だけ、といった考え方。そのため兄弟であっても、お下がりや併用をせずに1人ずつ用意するのが一般的です。しかしながら、スペースの取れない自宅などの事情がある場合には、上の子に兜を、下の子には鎧など、兄弟で違うものを準備してもいいでしょう。

飾り始める時期は、5月5日の1~2週間前ごろからがいいでしょう。ただ、それ以前に早く飾り始めても問題ありません。端午の節句を過ぎてから、決まった片付けのタイミングはないようです。しかし、5月下旬を過ぎると梅雨の季節になると、片付けの際に湿気で五月人形を痛ませてしまうため、天気のいい日に早めに片づけておく方がいいでしょう。

ちなみに、五月人形を飾る年齢の制限は特に決まっていません。成人するまで毎年飾る家もあるようです。

終わりに

兜や鎧を用意して、飾る場所や保管する場所を考えておくと、スムーズに端午の節句をお祝いできます。

昔に比べれば、子供は病気や怪我で命を落とすことなく、すくすくと育つようになりました。しかし、そんななかでも不幸な出来事に遭わないよう、端午の節句で厄除け、お払いをしておくことが日本のしきたりになっています。赤ちゃんの生まれたご家庭では、まず初節句からお祝いしてみてください。

参考

端午の節句と五月人形|一般社団法人日本人形協会
初節句!端午の節句の祝い方と鎧兜の飾り方 [赤ちゃんの行事・お祝い] All About
五月人形の基礎知識! 兜や弓を飾る意味について|吉徳大光
兜飾り|松屋
端午の節句の由来といわれ|光月人形
五月人形を収納する際のポイント! いつまで飾るべきかについても解説|吉徳大光

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