どうして元号発表が大きな話題になるの?
何十年に一度という改元。一生のうちで数回経験するかどうかという一大イベントではありますが、どうして今回はこのように大きな話題になっているのでしょうか。
崩御をともなわない改元であるため
明治から大正、大正から昭和、昭和から平成のいずれも、改元には天皇の崩御がともないました。世の中は服喪のムードになるため、現在のようにイベント感覚で改元について話題にすることが難しかったようです。
今回の改元は、天皇陛下の生前退位にともなって行われます。生前退位は明治以降類例がないということもあり、目新しさという点からも非常に注目されているようです。
テレビ番組で特集が組まれるほか、SNSでの新元号予想投稿なども盛り上がっています。上記で紹介した「元号選定手続について」を踏まえて、読み書きしやすい漢字2字という候補がいろいろと考えられています。
銀行・行政・通信などのシステム改修が必要なため
現代社会ならではの問題もあります。官公庁をはじめとしたさまざまな組織のシステムで、元号は正式な紀年法として採用されています。改元が行われると、システムの中に新しい元号を組み込む必要があります。
昭和から平成に変わったのは、すでに31年前のことです。この31年間のコンピュータやインターネットの発展は目覚ましく、平成元年にはなかったさまざまなシステムがインフラとして社会を支えています。
この膨大なシステム改修には、当然ながらそれなりの時間がかかります。新元号がなかなか発表されないため、システム業界ではスケジュールなどが問題となっているようです。
「金融系システムは国内外、他金融機関などとつながった巨大なシステムとなっています。自社のシステムは問題がなかったとしても、他で一部のシステムが古く、年号でデータが来るものがある。そのデータがやりとりされた結果、自社のシステムに影響が出ていないかどうかはSE・開発側だけでは気付けないものもある。そこへ、新元号発表が改元ギリギリになりそう。新元号がどういった内容で来るかの仕様(書)が、新元号が決まるで仮なわけです。
期間が短い分、他社のシステムでどんなミスが起きるかわからないし、指摘する時間も限られます。漠然とではありますがリスクですよね」
(金融系企業のシステム担当者)
(引用元:新元号公表が4月1日以降に…SEたちの悲鳴が聞こえる|ハーバービジネスオンライン)
当初、政府は4月11日に新元号を発表する予定でしたが、「それではシステム改修が絶対に間に合わない」という声を受けて4月1日の発表へと早めたそうです。
参考
4月1日に新元号公表 安倍首相、年頭会見で発表(1/2ページ)|産経ニュース
まとめ
新天皇即位にともなう改元。「新しい元号はいつ発表されるのか?」という疑問からスタートして、子供に質問されそうな元号のあれこれについて解説しました。改元にともなうトラブルがあまり国民生活に影響が出ないことを祈りつつ、子供と改めて元号について学ぶ機会としてみてはいかがでしょうか。
参考
元号|Wikipedia
元号一覧 (日本)|Wikipedia
新元号 選定「平成」時を踏襲 政府が手続き決定|FNN.jpプライムオンライン
新元号は「安久」!? SNSなどで予想合戦白熱 「M・T・S・H」以外、「安」の文字人気(1/2ページ)|産経ニュース
「元号変更」平成が変わると影響がある業界は ?|MSNニュース
元号変更で「2019年問題」は起こるのか? (1/2)|ITmedia エンタープライズ