高校入試の内申点をアップするには?子供と一緒に描く未来地図 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

内申点はどうやって点数化される?

成績は複数ポイントの絶対評価で点数をつける

入試時に内申点として計算される普段の成績を「評定」といいます。いわゆる「親世代」が中学生だったころは、評定は「相対評価」で、「5」はクラスの上位〇%などと配分が決まっていました。それに対し現在の中学生では、評定は生徒個人の達成度や努力を評価する「絶対評価」で評価されるものになっています。

評定は定期テスト点数のみで決まるものではなく、教科ごとに複数設定された「観点別学習状況」について、それぞれ目標到達度でA~Cの3段階評価がなされ、その総合評価として教科の評定が決まります。

「観点別学習状況」の「観点」について、国立教育政策研究所が出している『評価基準作成のための参考資料(中学校)』では、次のように解説しています。

新学習指導要領を踏まえ,「関心・意欲・態度」,「思考・判断・表現」,「技能」及び「知識・理解」に評価の観点を整理し,各教科の特性に応じて観点を示しており,設置者や学校においては,これに基づく適切な観点を設定する必要がある。

(引用元:国立教育政策研究所(2010年)『評価規準の作成のための参考資料(中学校), P4, 3. 新学習指導要領の下での指導要録における観点別学習状況,評定及び特別活動の記録(2)学習評価における観点について

「表現」とは、考えたり判断したりした過程や結果を討論したり発表したりすることです。「技能」は、資料から情報を読み取ったり選択したりして図表や作品などにまとめる力です。

つまり、テストの時だけ頑張って良い点数を取ればよい、ということではなく、普段からどれだけその教科に興味を持って学び、積極的にアウトプットしているかが評価されるということです。

参考
学習指導要領・指導要録・評価規準・通知表について|文部科学省
国立教育政策研究所(2010年)『評価規準の作成のための参考資料(中学校)』

成績以外の評価ポイント

内申点として点数化されるのは、基本的に評定が付けられる教科の点数のみです。しかし高校入試の際は、生徒の個性や長所を多面的に捉え積極的に評価するため、学習成績の記録以外の部分を活用することが奨励されています。

内容としては、スポーツ活動や文化活動、ボランティア活動など、学習以外の分野。大抵は活動事実や学校からの所見を言葉で記載しますが、山梨県の全日制後期募集のように、調査書を学力検査と同等に扱ったうえで「特別活動の記録」「校外活動の記録」「その他特記事項」を点数化するところもあります。

参考
高等学校入学者選抜について(通知)平成5年2月22日|文部科学省
平成31年度 山梨県公立高等学校 山梨県立特別支援学校高等部 入学者選抜実施要項

何年生の成績から内申点に含まれる?

内申点を算出するのに何年生の評定から含めるかは、都道府県によって実にさまざまです。パターンとしては次の3つがあります。

①1~3年生の評定を同等に扱い内申点を算出する都道府県
②1~3年生の評定を使うが比重を変えて3年生の成績を重視する都道府県
③3年生の評定のみを使う都道府県

また「5×9教科=45満点」とする都道府県だけではなく、独自のウエイトをかけて換算した内申点を使う都道府県もあります。

このように、内申点の点数化の仕方は都道府県によってさまざまです。こちらも入試要項などで公開されていることが多いので、調査書考慮の比重と合わせて、教育委員会のホームページなどで確認しておくといいでしょう。

参考
「内申点」って何?校受験とどう関わる?【高校受験】|ベネッセ教育情報サイト