空間認識能力は鍛えられる
空間認識能力は、生まれつきの個人差はあるものの、トレーニングを行うことで大きく改善することが証明されています。
トレーニングを行い、空間認識能力に変化があったかどうかを調べる調査は数多く行われており、トレーニングによって性別による差も縮まる、などの調査結果もあります。
空間認識能力は、例えば日常会話の中で、物の位置関係などを表す空間言語をたくさん使用することや、普段の遊びを工夫することで伸ばしていくことができるのです。
では、具体的にはどういった方法があるのでしょうか。空間認識能力を高める6つのコツをご紹介します。
空間認識能力を鍛える6つの方法
空間言語を使った言葉がけ
「あれを取ってきて」「これをそっちに持っていって」という指示語を使って、子供との会話をすませる機会は多くありませんか。
会話の中で、物の大きさ、高さ、形状、位置関係を具体的に伝える空間言語をたくさん取り入れてみましょう。子供が幼いころから空間言語をよく使っていると、成長するにつれて空間認識能力が豊かに発達するということが分かっています。親が子供に話しかける際は、意識的に空間言語を使用するように心がけることが大切です。
空間言語の使用は、日頃のお手伝いや部屋の片づけでも取り入れやすいものです。子供が日常的に空間を意識できるよう、空間言語を用いた言葉がけを積極的に使ってみましょう。
例えば、食器を戸棚にしまってもらう時は、「この小さいお椀を、下から2番目の棚の、お茶碗の隣にしまって」と指示するようにしましょう。
ブロック・積み木など組み立て式の玩具で遊ぶ
ブロックや積み木などの遊びは、立体図形を回転させたり、移動、配置したりすることが必要です。
ブロックなどの組み立て式のおもちゃでの遊びと、空間認識能力の高さは関係があり、ブロックを使って遊ぶ子どもは、そうでない子どもよりも空間認識能力が優れているということが分かっています。
自分でブロックを組み立てたて遊んだり、自由に積み重ねて組み立てられたブロックの個数を数える遊びをすることで、次第に1つの方向から見た数を予測できるようになるでしょう。
ブロック遊びをする際は子どもが空間言語を多く使用する傾向があり、この点からも空間認識能力を高めるのにぴったりです。
「ニキーチン教育」では、積み木を使った教育法が数多く考案されています。
身近にあるもので工作を楽しむ
身近にあるもので工作を楽しむことも、空間認識能力を伸ばす遊びの1つです。
今はインターネットで様々な工作アイデアを簡単に検索できるので、参考にしてみましょう。ペーパークラフトや折り紙、廃材を使ったおもちゃ作りがおすすめです。説明書きを読んで理解し、完成した形をイメージしながら作る作業は、空間認識能力を鍛えます。
日頃親しんでいる遊びや、外出先で興味を持ったものなど、「どうやって作ろうか?」と一緒に考えてみるのも面白いでしょう。例えば、幼児であれば、トイレットペーパーの芯でボーリングのピンを作ってみたり、好きな電車やバスを紙パックで作ってみたり。小学生なら、紙パックで恐竜を作ることや、段ボールでガチャガチャやお城を作ることもできるでしょう。
クリスマスツリーや節分、ひな祭りなど、季節の行事を工作の機会にして、紙パックや段ボールで飾りなどを作ってみるのも1つです。