我が子が中学校に通えなくなると、このまま高校へ進学できないのではないかといった心配をする方もいるかもしれません。しかし、不登校の中学生でも高校受験は可能です。当記事では、不登校の中学生が高校受験のために備えるべき学校の成績表の重要ポイントや高校の選び方、勉強法を解説します。
内申書の基本
各学年の学期末に配られる通知表とは異なり、内申書は受験生一人ひとりの中学の成績や学校生活についてまとめられたものです。内申書を合格判定資料として利用する方法は、都道府県や高校によって異なるため、お住まいの地域や志望校の入試情報を調べて確認しておくと良いでしょう。
学習塾の栄光ゼミナールの情報を参考にまとめた、内申書の一般的な形式が次のものです。
【内申書に記載される一般的な形式・内容】
基本的な個人情報 | 名前・性別等 |
---|---|
教科の学習の記録 | 各教科5段階評価・成績(内申点)
(注意)東京都と神奈川県は、観点別評価も併せて記載 |
出欠の記録 |
(注意)欠席理由を総合所見に記載する場合もある |
特別活動等の記録 | 学級・生徒会・学校行事・部活動等の所属・役職・活動内容等 |
行動の記録 | 文章で書かれる場合と記号で書かれる場合がある |
総合所見 | 中学校生活全体について先生が生徒を評価する |
(内申書とは?内申が高校入試でどう活用されるのか知っておこう!|栄光ゼミナールより筆者作成)
内申書のうち内申点は、入試当日の学力検査や面接等と共に一定の比率で換算されて合否判定に使用されます。
内申書の対象となる学年は都道府県によって異なります。具体例として関東の4県に注目してみましょう。
【都道府県によって異なる内申書の対象となる学年の具体例】
東京都 | 中学校3年生の間に合う時点 |
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神奈川県 |
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千葉県/埼玉県 |
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(内申書とは?内申が高校入試でどう活用されるのか知っておこう!|栄光ゼミナールより筆者作成)
学年度末の成績はその学年全体の評価なので、3学期や後期のみ頑張れば成績が上がるわけではないことに注意しましょう。
また、内申点以外の記載事項は、目立つ成果を中心に評価の参考にされる場合があります。
内申書が合否判定資料として影響する入試条件は以下の2つです。
- 公立高校の入学者選抜・評価方法のうち「審議の対象」
- 私立高校推薦入試の「出願資格」
ただし、公立高校の「審議の対象」になったからといって即不合格となるわけではありません。
審議の対象となるのは、ボーダーライン上にある受験生です。各高校によって異なるでしょうが、ある高校の先生は「大体 1~10 名程度だ」とおっしゃっていました。対象となる受験生に対しては、上から順に一人ずつ、学検点・内申点・特記事項などを見ながら審議をするそうです。審議の対象の中でも、合格者はいるとのことです。
(引用元:【3】公立高校 入試の仕組み P.8|和塾)
不登校だったり審議の対象になったからといって、公立高校に通えないというわけではないのです。
では具体的に、不登校の生徒が公立高校や私立高校推薦枠を受験する際に備えておく必要がある重要なポイントを2つ見ていきましょう。