空間認識能力が低い子供の特徴・勉強で困ること・効果的な遊びとは - cocoiro(ココイロ) - Page 3

空間認識能力は遊びでも伸ばせる!

空間認識能力が低い子供はさまざまな分野で不便な思いをすることが多そうです。そう考えると心配になりますが、空間認識能力は遊びでも伸ばすことができます。空間認識能力を伸ばすアクティビティを親が意識的に取り入れてあげることで、子供は身構えることなく空間認識能力を身につけることができるかもしれません。

体を使って遊ぶ

自分が置かれている空間を認識するためには、体を使って遊ぶことは外すことができません。鹿児島大学教育学部では、8の字型をした遊具「エイトラン」が開発されました。カーブになっている狭い通路が立体交差している構造から、ただ中をぐるぐると走り回っているだけで幼児も空間認識能力が養われるようになっています。

(引用元:木製遊具「エイトラン」の設計製作と教育効果 | 鹿児島大学リポジトリ)81ページ

このような上下左右に移動できる遊具は、遊びながら立体的な空間を体で把握できるという効果があります。小さい子供でも遊べるアスレチックなどを探して親子でチャレンジしてみるといいでしょう。

パズル・積み木などで遊ぶ

知育玩具としてよく使われるパズルや積み木は、奥行きや別の角度から眺めるなどの立体感覚を養うのに優れています。見本の真似をして積み木を組み立てる遊びをする「ニキーチンの積み木」などは市販で手に入りやすくなっています。

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ブラザー ジョルダン(Br JORDAN)

年齢とともに伸びる

もう1つ覚えておきたいのは、子供の空間認識能力は年齢とともに発達するということです。理科でつまずく子供が多い天体の問題を新潟大学の学生に考えてもらうという実験結果を見つけました。

大学生に中学で行うようなテストを行うと、正答率はあまり高くありませんでした。天体の問題は暗記で乗り切った学生が多く、大学生の時点では答えを忘れていたためです。一方で、頭の中で3次元の空間を考える能力は、中学生と比べると発達していたそうです。

中学生のときに困難であった,3次元の透明半球に表された星の軌跡を2次元の紙面上に表すということが,大学生では思考だけで表現できるようになっていることも本研究から明らかになった.

(引用元:日周運動における大学生の空間認識能力 | 新潟大学学術リポジトリ

年齢に伴う成熟とともに、日常的にさまざまな経験を積むことによって子供の頃より空間認識能力が上がっていると考えられます。子供のが今空間認識能力が今低いからといって、その状態からずっと向上が見られないというわけではないと言えるでしょう。

まとめ

自分の子供が他の子よりけが怪我が多かったり、身の回りに不注意なように感じられたりすると、親としては心配になることもあるかもしれません。しかし、空間認識能力は年齢に伴って発達していきます。まずは気負いすぎず、遊びながら伸ばしていってみましょう。

参考
空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える! | こどもまなび☆ラボ
地形図判読の発展的教材の開発(1) 空間認識能力を養うための立体地図画像の活用 | 佐世保工業高等専門学校学術機関リポジトリ
生活科における空間認識育成のための活動に関する考察 | 広島文教教育女子大学
子どもの空間認識と表現 : まとめ | J-stage
造形遊びの教育的意義 ―同一材料に基づいた造形活動と空間把握の諸相を通して―- | 弘前大学学術情報リポジトリ
中学校理科天文分野における空間認識能力の育成に関する研究 -念頭操作能力と視点移動能力を中心としてー | 広島国際大学
日周運動における大学生の空間認識能力 | 新潟大学学術リポジトリ
Five easy ways to boost children’s spatial skills | THE CONVERSATION
ニキーチンの知育玩具の紹介 | J-Stage

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akahoshitomoka

piggiesagogoクロシェター・ライター。 オリジナルの編み物作品の作り方を販売しながらライターもしています。守備範囲はハンドメイドから不動産まで。三浦半島が好きです。