“飴と鞭”を上手に使う実用例
やり方さえ工夫すれば飴と鞭は教育にも応用することができます。実用例を紹介しましょう。
子供を認めることが飴を与えることになる
習い事や勉強を嫌がる子供に対してお菓子やおもちゃで釣るという方法は、決して珍しいものではないでしょう。たしかにごほうびが目的に習い事や勉強に熱心になるかもしれません。しかし、いつまでごほうびが必要になるのでしょうか。今まで習い事に行くたび、テストで100点取るたびにあげていたごほうびをいきなりなくしてしまうとどうなるでしょうか。おそらく目的にしていたごほうびがなくなったとたんにやる気がなくなってしまうでしょう。
それ自体に楽しみを見つけられるものであっても、ごほうびを与えてしまうことで単純に食欲や物欲を満たすための道具になってしまいます。飴を与えるのであれば、物質的なものでなく、目に見えないものを選びましょう。子供にとっては親に認められるということでも、十分に飴となります。
言い方で伝える飴と鞭
飴と鞭は単純にごほうびと罰を与えるだけではなく言い方を変えることで子供に伝えることができます。悪いことをしたときにはそれを諫め、良いことをすればそれをほめます。例えば、子供が何か危険な行動を取った時には、「○○が怪我したら悲しいな」と伝えます。子供には親を悲しくさせたくないという気持ちがあるため、十分に罰となるでしょう。
また子供は親に見てほしいという気持ちからわざと悪いことをすることがあります。そのような場合は罰を与えると、見てもらえたと感じて繰り返してしまうこともあるでしょう。親の気を引くために悪いことをする場合は、注意してからは無関心を装います。すると子供は気を引けないということに気が付くでしょう。逆にほめる点があればそれをしっかりほめてあげてください。
子供は自分で悪いことをしても親の気を引けない(罰)ということと、良いことするとほめられる(飴)ということを自分で学びます。子供がする行動のなかには、行動以上の意味が隠れていることもあります。それを見つけて対応した飴と鞭を与えることでより良い方向に向かうことができるでしょう。
飴と鞭はお互いに認め合うからできること
飴と鞭は単純に報酬と罰を機械的に与えるものではありません。良いことをすればお菓子をあげるというような行為はその子供についてよく知らない人でもすぐにできるでしょう。しかし、子供の行動を観察してそのときどきに必要な言葉を投げかけてあげるのは誰にでもできることではありません。飴と鞭は子供を観察して何が飴と鞭になるのかを知っていなければできない教育です。
また子供も親が自分を認めてくれているという信頼を持っていなければ、受け取った言葉を素直に受け取ることができないでしょう。飴と鞭はお互いに良好な関係を築くことが第一段階です。そのためには、子供をよく観察してどのような飴と鞭が必要となるかを真剣に考えましょう。
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