百人一首にはいろいろな楽しみ方があります。子供のころに坊主めくりで百人一首に親しんだ人は多いのではないでしょうか? 現在では、小学校入学時にお祝いとして百人一首を贈呈し、学校の指導の中で百人一首を取り入れているところもあるそうです。古典に親しむことができる、語彙力がアップする、歴史の知識が増えるなど、多くの教育効果があると言われているからです。また、競技かるたを題材にした漫画『ちはやふる』は発行部数2,100万部を超える大ヒット作品となっていて、映画化もされたこの作品をきっかけに百人一首に興味を持つ子供が増えてきているようです。
今回は、百人一首かるたの練習をするとき、子供だけでもできる自動読み上げの方法をまとめました。さまざまな方法があり、料金も幅広いです。各家庭に合った方法を見つける際の参考にしてください。
もくじ
かるたの「読み手」に必要なこと
百人一首のかるたには、歌、すなわち句を読み上げる「読み手」という人がいます。この読み手がいなければ百人一首かるたはできません。そして、競技かるたの場合は『公認読手』と言われる資格が必要であるほど重要なポジションなのです。
「読手」にも種類があります。
公認読手A級
- 三段以上の者であること(競技ができなければいけない)
- 所属する会の会長の推薦があること
- 協会の専任読手選考会で決定する
公認読手B級
- 協会が主催する読手講習会に参加していること
- 初段以上の者であること(競技ができなければいけない)
- 所属する会の会長の推薦があること
このように厳格なルールが設定されています。そのため、競技かるたに挑戦しようと思ったときには、この読み手を確保しなくてはいけません。ただ、素人がいきなりやるのは非常に困難です。競技者に聞き取りやすい発音や音程などを意識して行う必要があるからです。読み手とは、さまざまな経験や工夫がなければできないものなのです。
競技かるた独特の節回し
競技かるたの節回しは非常に独特です。どのようなものかよく分かるシーンは、新年に皇居で行われる歌会始でしょう。節回しは、「飛鳥井流」と呼ばれるものが主流で、甲調・乙調・上甲調の3種類があります。甲調はだんだん下降してゆき、最後の音はほとんど聞き取れないほどになります(上甲調はその完全五度上)。これに対して、乙調は冒頭から音が変化に富み、そのまま高音へ移行するなどかなり音楽的な節回しとなっています。この三つの調子を組み合わせて、多くの歌が単調にならないよう、バリエーションを持たせています。
このような節回しはそれなりの訓練が必要となってきます。競技かるたの読み手は、きちんとした訓練を受けた者でないとできないものなのです。
読み上げ機も存在!
百人一首の読み上げには、専用の読み上げ機が開発されています。株式会社マウビックの提供する「ありあけ」という専用の読み上げ機があります。「ありあけ」は、一般社団法人 全日本かるた協会専任読手の読み上げによる、日本で初めての実用レベルの百人一首読み上げ機です。歌の収録には一般社団法人全日本かるた協会の全面的な協力を得ています。すべての歌は一首ごと確認され、有段者の練習にも使用できるよう、細部まで行き届いた内容になっています。
ランダム再生で実戦的な練習ができるので、家や部活動の練習の際に使用されています。今までは読み手になっていた人も、「ありあけ」を使用することで、実際に競技者として参加できるという利便性の良さがあります。リモコン付きの場合は4万5,000円、リモコンなしの場合は3万9,000円で入手が可能です。