日本の伝統文化である百人一首は、見たことがないという人がいないくらいメジャーで、最近では趣味の1つとして『競技かるた』に取り組む人も増えてきています。ただ、そんな競技かるたを取り組んでいる人でも、実際にすべて覚えるのは大変なので、覚え方にコツがあります。今回は基本的な覚え方やポイントをご紹介します。
もくじ
百人一首とは
百人一首にはそもそもどのような由来があるのでしょうか? ここでは百人一首に関する成り立ちや現在の学校での導入についてご紹介します。
歴史と成り立ち
百人一首とは、今から700年以上前の鎌倉時代に、歌人の藤原定家がまとめたもので、正式には『小倉百人一首』と呼ばれる秀歌撰(=優れた歌を集めたもの)です。天智天皇から順徳天皇までの550年の間に作られた勅撰和歌集(天皇の命で編纂された和歌集)の中から選ばれたものだと言われています。歴史的仮名遣いで書かれているのが特徴で、恋の歌や季節の歌などがあります。勅撰和歌集は全部で21ありますが、中でも下記の10の勅撰和歌集から選ばれています。
- 古今集:24首
- 後拾遺集・千載集・新古今集:14首
- 拾遺集:11首
- 後撰集:7首
- 詩花集・金葉集:5首
- 新勅撰集:4首
- 続後勅撰集:2首
百人一首が『かるた』として庶民に親しまれるようになったのは江戸時代のころです。古くは戦国時代に宮中や大奥などで『かるた』として遊ばれていたと言われています。その後元禄時代になると『和歌かるた』が『小倉百人一首』のことを指すようになり、一般にもなじみのあるものになっていきました。
教育効果も!学校での取り組み
近年では日本の伝統文化を知ってもらいたいという目的で、百人一首を学校単位で取り組んでいるケースもあります。百人一首を取り入れることで、教育効果があることも分かってきました。
- 語彙力がアップする:古典でしか使わないような言葉遣いに触れることができる。
- 歴史上の知識が増える:菅原道真・清少納言・紫式部・源実朝など、各時代に活躍した人の歌が詠まれている。
- 国語力の向上:漢文や古文に抵抗なく取り組むことができる。
など、さまざまな効果が報告されています。確かに、通常の生活ではあまり触れることのない世界であることに間違いはありません。「覚えなさい」と言われて宿題のように半強制的に覚えるよりは、抵抗のない低学年のころから、遊びを通じて慣れ親しんでおけば、子供にとっても負担は軽くなるはずです。学校によっては入学祝いに百人一首を贈り、学校行事として取り組んでいるところもあります。伝統文化を知るだけではない効果があるのはうれしいことです。