子供の癖で気になる癖のうちの一つである爪噛み。子供の癖の中では多い癖ではありますが、衛生的な問題や他人の目を気にするとやめてもらいたいと思う親御さんも多いのではないでしょうか。今回は爪噛みはいったいどのようなことが原因で癖となってしまうのか、またどのように対処すればいいのかご紹介します。
もくじ
爪噛みとは?
爪噛みとは、「手や足の指に付いている爪を噛む行為」を指します。特に害のない癖なら無理に直す必要はありませんが、爪噛みにはさまざまな悪影響があるため、早期に直した方が良いと言われています。
横浜市立大学附属病院・市民総合医療センター児童精神科によると「くせは注意や叱咤では直らない」とのこと。爪噛みに限らず、子供が服をつまんだり、指をしゃぶったり、髪の毛をいじったりという癖は、自分のバランスを保ち心を落ち着ける行為だとしています。
その時に感じた”すっきり”を、心のバランスをとるために身体や心(=脳)が必要として、続けることになっています。
(引用元:くせ(爪かみなど)について。|横浜市立大学附属病院・市民総合医療センター児童精神科)
大人でも、貧乏揺すりをしたり、頬づえをついたり、足を組んだりといった無意識に行っている癖があるはずです。本人は自覚していなくても、貧乏揺すりをすることによって抱えているストレスを分散させていることも。つまり、子供は爪噛みをすることによって自分の気持ちを安定させているのです。
子供に限らず、大人にも人前で気にせず爪を噛む人は意外と多くいるもの。親としては、口にばい菌が入ってしまったり、爪が変形してしまうかもしれないと心配になり、一刻も早くやめさせたいと考えるはずです。
しかし、ただ一方的に「爪を噛むのはやめなさい」と注意しても、子供がすぐにやめられるとは限りません。なぜなら、子供は爪を噛むことで自分の心のバランスを保とうとしているからです。
子供が爪噛みをしてしまう4つの原因
注意をしてもなかなか直らない爪を噛むクセには、実は精神的なストレスが引き金になっていることが考えられます。そのため、パパやママは子供がなぜ爪を噛んでしまうのか、その原因をきちんと考えなければなりません。
精神的なストレス
休日に家族でゴロゴロしているときや、絵本の読み聞かせをしているときは平気なのに、両親に叱られた後や宿題を始めた途端に爪を噛むのは、子供に精神的なストレスや負荷がかかっていることが原因かもしれません。
大人でも、イライラしているときは髪の毛をかいたり、貧乏揺すりをしたり、腕組みをしたり、指の骨をポキポキならしたり、ため息をついたり、頬づえをついたり、と無意識のうちに「気持ちの安定」を図っています。子供も同じで、何か強いストレスを感じたときに、爪を噛むことによってストレスを分散させようとしているのです。
宿題がひとりでこなせず分からなかったり、テレビや本など何かに集中するときに、くせが強まることがあります。くせを持っている子どもは自分の中のバランスを取って、心を落ちつかせるためにつめをかんだり、髪の毛をいじるなどのくせを使っていることが多いようです。
最初のきっかけは取るに足らないことで、爪のギザギザしたところが気になって直そうとしたとき、髪の枝毛やちりちりした部分が気になって抜いてみたとき、鼻くそがひっかかって取れずやっとのことで取り出せたときかもしれません。
(引用元:くせ(爪かみなど)について。|横浜市立大学附属病院・市民総合医療センター児童精神科)
こちらの記事では子供が感じるストレスについてより詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
両親の愛情不足
「自分は両親に愛されていない」と愛情不足を感じてしまうことも、爪噛みの要因であると考えられています。自分に妹や弟ができて両親に構ってもらえなかったり、夫婦共働きで家族揃って食事をする機会が少なかったりすると、子供は「自分は必要のない存在なのかもしれない」と寂しさを感じてしまうものです。
自分の夫が毎日残業続きで家事や育児に協力的でないと、「もう少し自分の家族のことを考えてくれたら良いのに」と思ってしまうことはあるかと思いますが、それと同じで、下の子につきっきりの母親に「構ってほしい」、「自分のことをもっと愛してほしい」と思っているのです。
無意識でなんとなくやってしまう
理由がある訳ではないけれど、なんとなくでやってしまっているという場合もあります。爪を噛むことが習慣化しているため、両親から「爪を噛むのをやめなさい」と言われても何がいけないのかが分からず、なかなか直すことができないのです。
環境の変化によって心のバランスが崩れている
保育園や幼稚園の入園や卒園、両親の転勤による引っ越しといった新しい環境の変化によって、心のバランスが崩れていることも爪を噛む原因の1つです。
また、母親が出産のために入院をして離れ離れになってしまったときにも、自分の感情をどう処理して良いのか分からない、寂しさを紛らわすために爪噛みをしてしまう子供もいます。