「学力低下」論争はいらない!子供の可能性を信じる教育を - cocoiro(ココイロ) - Page 2

文部科学省の改善方策とは

10年以上続く学力調査の現状

国立教育政策研究所の実施する「全国学力・学習状況調査」は、2007年から始まり10年以上行われています。

参照元:「全国学力・学習状況調査」の結果の推移について|東京都

小学校

2009年から2014年までの結果の推移は、国語A(知識)が全国平均69.9点から72.9点へと3点ほど上昇、国語B(活用)の平均点が50.5点から55.5点へ約5点増えたものの下位層の割合が増加して2014年度では46.4%に達しました。算数A(知識)はほぼ横ばい、算数B(活用)もほぼ横ばいに留まっています。

中学校

国語A(知識)は77.0点から79.4点へと上昇しました。国語B(活用)では74.5点から51.0点へと大きく下降し、下位層の割合も47.7%までに増えています。数学A(知識)は62.7点から67.4点で約5点上昇して、下位層の割合も約6%下がりました。数学B(活用)では、56.9点から59.8点とやや上昇し、下位層の割合はほぼ横ばいでした。

小中ともに、国語B(活用)に関しての、下位層の割合が増えてきています。これは、この項目に関して、教育格差が広がりつつあることが考えられます。

文部科学省が打ち出す改善方策

こういった状況を踏まえ、文部科学省ではどのような改善方策を打ち出しているのでしょうか。平成28年6月の「全国的な学力調査に関する専門家会議」では、主に8つの具体的な改善方策の検討を提唱しています。

  1. 学習指導要領改訂を反映した調査問題や質問紙調査項目
  2. 児童生徒の学力の状況をより客観的・多角的に評価できる仕組みの導入
  3. 中学校における英語4技能を測る調査を平成31年度から3年に一度程度実施
  4. 調査結果のより詳細な分析を結果公表時に併せて公表
  5. 経年変化分析調査の継続的、かつ、定期的な実施
  6. 保護者に対する調査の平成29年度実施と継続的、かつ、定期的な実施
  7. 指定都市の調査結果の公表方法の検討
  8. 大学等の研究者による詳細データの活用

個別科目の推移事象より、学寮調査の正確性や評価、実施方法に注力しているようです。調査結果の実質的な改善は、学習指導要領改正によるでしょう。