子どもの権利条約の課題とは?
それでは次に、子どもの権利条約が掲げる課題について紹介します。
子供の虐待問題
子どもの権利条約が国際社会において広く受け入れられている一方、現実には子供がさまざまな理由から搾取や虐待にあっています。例えば、日本においても、子供の虐待問題がニュースなどで報じられますが、子供が誰にも相談できずにいたり、虐待をしている側がその事実を隠蔽しようとするなど、虐待問題への解決の道はなかなか遠いのが現状です。
子どもの権利条約の中には、「子供に対する差別の禁止」とありますが、宗教上の理由や家庭環境の事情といったさまざまな事情があることから、虐待問題の解決にはまだまだ時間がかかると言えそうです。
十分な教育が受けられない子供も
世界では、学齢期の子供の約2億6,400万人が、学校に通うことができない状況下にあると言われています。
いま世界では子どもと若者の約2億6,400万人*が学校に通っておらず、低所得国では中等レベルの教育を受けている子どもは僅か12人に1人です。世界の最も貧しい国々において、ジェンダー平等を達成するために一定の前進が見られたものの、質の高い教育を受けられない女の子は男の子より遥かに多いのが実情です。
(引用元:世界的教育危機 学校に通えない子どもと若者、2億6,400万人|日本ユニセフ協会)
国の経済的事情などによって子供が学校へ通うことができないため、貧困や搾取といった負の連鎖から抜け出せない地域も多いと言います。子供が十分な教育を受けるために、学校設立のための資金を集めたりと、さまざまな運動が各地で行われていますが、2億万人以上という数字からも分かるとおり、問題解決へはまだ時間がかかりそうです。