これから出産を考える人に
子育てと仕事の両立を支援するため、法律に基づき、休暇や経済的な支援などが制度化されています。
妊娠中にはどのような制度が使えるの?
妊娠中は、身体を保護する観点から以下の制度が行使できます。
- 有給を使わずにいつでも健康診断を受けられる「勤務中の健診時間の確保」
- 通勤ラッシュを避けるため時差出勤できる「通勤緩和」
- 負担の大きい作業を代わることができる「妊婦の軽易業務転換」
- 残業や休日出勤を拒否できる「時間外、休日労働、深夜業の制限」、「変形労働時間制の適用制限」
また、出産予定日の6週間前から出産日の8週間後まで「産前・産後休業」を取得することができます。詳しくは「産前産後休業とは」の章をご覧ください。
参考
妊娠・出産期に知っておくべき法律や制度|女性にやさしい職場づくりナビ
妊娠中に行う業務には制限がある?
負担の大きい作業に従事している妊娠中または出産後の女性は、座作業、デスクワーク、負荷の軽減された作業へ代わり、負担を軽減することが望まれています。負担の大きい作業とは、下記のような作業を指します。
- 重量物を取り扱う作業:継続作業6~8㎏以上、または断続作業10㎏以上
- 外勤等連続的歩行を強制される作業
- 常時、全身の運動を伴う作業
- 頻繁に階段の昇降を伴う作業
- 腹部を圧迫するなど不自然な姿勢を強制される作業
- 全身の振動を伴う作業
(引用元:妊娠・出産期に知っておくべき法律や制度|女性にやさしい職場づくりナビ)
妊娠したら
会社の就業規則に記載されていなくても、法律で事業主に義務づけられている制度があります。妊娠が分かったら、早めに出産予定日や休暇の予定を会社に申し出てください。
出産のときにはどのような制度が使えるの?
出産時の休暇や経済的な支援などは制度化されています。主なものとして以下のような制度があります。
出産育児一時金
子供1人につき42万円支給(双子の場合は84万円)。多胎児の場合には、子供の人数に応じて支給されます。
出産手当金
健康保険制度からもらえるお金。出産予定日の前42日と出産翌日から56日目までの範囲内で仕事を休んだ期間が対象。1日あたりの手当金の額は「標準報酬月額÷30日×3分の2」
産後の仕事復帰はいつから?
出産後の産後休暇に加え、育児休業を取得できます。育児休業は、事業主に申し出ることで、子供が1歳に達するまでの間に取得することができる休暇です。
育児休業は男性も取得できるので、お母さんをサポートするためにお父さんが出産直後に取得するケース、お母さんとお父さんが交代で取得するケースなども考えられます。
いつから仕事復帰できるかは、お母さんの健康状態や保育園の状況によっても変わってきます。赤ちゃんとお母さんの健康を第一に考え、無理のない選択をしてください。
休みはいつから?産休と育休の違いとは?
産前産後休業とは
産前産後休業は、労働基準法により保障されている労働者の権利です。
産前休業
出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から申請することで取得できます。
産後休業
出産の翌日から8週間までは原則として就業できません。ただし、産後6週間が経過したら、本人が請求し、医師が認めた場合のみ就業可能です。
育児休業とは
育児休業は、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(育児・介護休業法)で定められた権利です。原則として、子が1歳(一定の場合は、最長2年)に達するまで、男女問わず申し出ることで取得できます。
父母共に育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまでの間の1年間取得できます(パパ・ママ育休プラス)。産後8週間以内の期間に育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても申出により再度の育児休業取得が可能です(パパ休暇)。
「育児休業給付」が支給される、社会保険料の支払いが免除されるなど、一定の支援があります。
育児休暇とは
育児休暇は、あくまでも休暇であり、法律に基づくものではありません。企業ごとに定められ、育児休業を取得できない労働者や育児休業と併せて利用できるものです。