子供の臨界期を家庭で活かすには
そもそも子供と大人では、学習に対するアプローチが異なります。それを理解した上で、家庭で臨界期を活かした学習機会を提供してあげてはどうでしょうか。
子供の好きを活かす
子供の好奇心に合うものは、学習のスピードが上がるものです。昆虫の好きな子供は、昆虫の名前をあっという間に覚えます。ケーキの好きな子供は、どんどん種類や作り方を覚えていきます。逆に言えば、子供は興味関心の持てない事柄を半強制的に学ばされると嫌がり、習得のスピードが遅くなります。
例えば、ピアノを習わせても、最初のうちなら取り組むかもしれませんが、1日何時間も練習をするうちに興味を持てず飽きてしまいます。最悪の場合は、ピアノを見るのも嫌いになってしまうことさえあるのです。子供の好きを活かして、主体的に取り組める習い事と幼少期に出会えるといいかもしれませんね。
大人のものさしで測らない
子供は、自分のやりたいようにやっていると一番のびます。しかし、もしテストの点数のように親から評価されると、親の顔色を伺いながら勉強するようになります。
例えば、スポーツであれば、「チームのレギュラーを取らなきゃ」「もっといい結果を出さなきゃ」とプレッシャーを感じてしまいます。いくら臨界期と言っても、常に右肩上がりで上達するとは限りません。成長の度合いには波があります。「いつになったら、できるようになるの?」と子供を攻めることなく、親は子供の成長を長い目で見守ってあげましょう。
のびのび学べる環境と場を提供してあげる
子供が新しく学何かを学ぶときに気をつけたいのは、安心できる環境や場を提供してあげることです。子供は、不安を感じていると新しい情報を得ることができません。
例えば、言語の習得でもいくら相手の先生がネイティブでも、その先生に対して子供が心を開いていなければ、スムーズに学習できません。初対面の大人が苦手な子供もいるでしょう。新しい空間に行くことも子供にとっての負担です。そこを考慮してあげながら、新しい環境に慣れ、のびのびと学べるまでは親御さんのサポートが必要かもしれません。
また、子供のモチベーションも大切なポイントです。子供がモチベーションを維持するために、子供がワクワクできる目標設定を持ってもらいましょう。ただ、子供は目標の設定方法を知らないかもしれません。主体的な目標を持てるサポートも同時にしてあげられるといいでしょう。例えば、お絵かきであれば、「展覧会に絵を出したい」「家族旅行でいった場所の絵を描きたい」といった具合にするといいでしょう。
おわりに
臨界期の定義やその落とし穴、家庭で活かす方法についてお伝えしました。各機能での臨界期があるため「期間内に詰め込みで学ばせたい」と考える親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、子供の主体性ややる気を認め、子供自身がのびのびと学習できるように環境や場を準備してあげてはいかがでしょうか。
参考
言語習得 の臨界期 について|静岡大学
第2回 幼児教育における「臨界期」って何?|まいとプロジェクト
子どもに英語を習わせる親の「致命的な誤解」|livedoors NEWS
【田浦教授インタビュー 第1回】「臨界期」は存在しない? 発音・聞き取り・文法・語彙における臨界点|こどもまなび☆ラボ