文科省も必要性を伝える!家庭で身につけたいクリティカルシンキング - cocoiro(ココイロ) - Page 4

クリティカルシンキングを家庭で活かすには

クリティカルシンキングを家庭で活かすには
文部科学省を主体に、教育現場でもクリティカルシンキングを重要な思考として位置づけています。学校だけでなく、家庭でも子供にクリティカルシンキングを身につけてもらうために、親御さんにはどういった働きかけができるでしょうか。

「それ本当?」を口癖に

自分の考えの前提を疑うところから始めてはどうでしょう。「勉強ができてクラスで人気者のA君が今度の学級委員長に選ばれるはずだ」と子供が話していたら、「それって本当かな?」と問いかけてあげてください。ほかにいる候補の存在や先生の意向、A君自身のやる気も考慮すると、別の結論に達するかもしれません。何気ない子供の考えや意見に対して、「それ本当?」を口癖にしてみましょう。

また、仮説検証も重要です。例えば、「スーパーからAルートとBルートどちらが早く家に着くかな?」と子供に質問をして、「Aルートだと思う。」と判断したら、両方のルートを実際に通りどちらのタイムが早かったかを検証してもらいましょう。仮説をそのままにせず、検証する癖をつけることもクリティカルシンキングにつながります。

さらに、ほかの手段まで考えられるとベターです。「そもそもAルートとBルートを通るのではなく、別の方法はないの?」と問いかけて、「バスを使った方が早く着く。ただし、朝や夕方は通勤時間で道路が混むので、自転車の方でAルートを通った方が早い」と仮説検証を交えながら、新たな答えを導き出すこともできます。

「違い」と「同じ」を考える

2つの物事に対して、何が違い、何が同じなのかを子供と話し合ってみてはどうでしょうか。例えば、果物を数種類用意して、「みかんとりんごは色が違うけど、形は丸くて同じ」「バナナとレモンは色が同じだけど、形は違う」と子供に気づかせ、アウトプットさせてみてください。クイズ形式でやると盛り上がるかもしれません。

また、物事を分類することも効果的です。道端の石を集めてもらい、重さ、色、形、サイズによって分けてもらいましょう。スーパーの買い物中に、どれが果物でどれが野菜かを当ててもらうのもいいかもしれませんね。

「事実」と「解釈」を混同させない

本当に起こった「事実」と、自分が認識した「解釈」は異なります。例えば、「今日の野球の試合は勝ったよ。なかなかの激戦だったよ。来週の決勝も激戦になるよ!」と子供が話していたら、「今話したことの『事実』と『解釈』はなんだろう?」と問いかけてみてください。

「試合に勝ったこと」は事実ですが、「なかなかの激戦だったこと」は子供の主観です。「決勝も激戦になる」とは限らないでしょう。事実と自分の解釈を混同させてしまうと、論理展開や結論にズレが生じます。その違いを子供に理解してもらいましょう。

遊びを活用する

上記のたとえ話に出て来た通り、クリティカルシンキングを身につけるためのエッセンスは日常のあちこちにあります。砂場遊びやおつかい、片付けなど、あらゆるシーンで使えるのがクリティカルシンキングです。

例えば、かくれんぼをする際に「60秒数える間に移動するなら、橋を渡るか、脇道を通るか、どちらがいいか」「かくれんぼで見つかりにくい場所の共通点は何なのか」「『クシャミをした』ために見つかったのか、『鬼の近くに隠れた』から見つかったのか」と考えたり、話し合ったりするのもクリティカルシンキングです。クリティカルシンキングをはぐくむことができるよう、親御さんがサポートしてあげてみてはいかがでしょうか。

子供に考える時間を持たせる

家庭でクリティカルシンキングの教育を実践する際の注意点は、大人が答えをすぐに出さないことです。子供自身が試行錯誤することで、効果的に鍛えられ、身につけることができます。子供に下駄をはかせることなく、失敗から学び、自分で答えを導き出せるまで見守ってあげましょう。

おわりに

文部科学省も含めて教育でクリティカルシンキングは、重要視されています。クリティカルシンキングを身につけることは、短期的な学習スピードの向上だけでなく、社会での活躍にも通じます。組織の課題、例えば「会社の離職率が高い」「売上不振で会社が伸び悩んでいる」といった課題を、客観的かつ多角的な視点から解決に導けます。

クリティカルシンキングを身につけられていない大人は、多くいるものです。子供のころから身につけておくと将来、大いに役立つかもしれません。

参考
批判的思考について|文部科学省
クリティカルシンキング|BIZHINT
【5分で理解】クリティカル・シンキングとは?意味&具体例とおすすめ本をご紹介します|Life-and-Mind
生活の中で子どもの「考える力」がみるみる伸びる工夫|All About

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