ロジカルシンキングと同様に有名な思考法がクリティカルシンキングです。ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いやクリティカルシンキング不足で起こる問題、家庭で子供が身につけていく方法などをお伝えしていきます。
クリティカルシンキングは、学習だけでなく、社会での問題解決能力、コミュニケーション能力にも通じる思考法です。うまく活用してみてはいかがでしょうか。
クリティカルシンキングとは
クリティカルシンキングの定義
クリティカルシンキングとは、「批判的思考」とも言い換えられ、根拠に基づいた論理的で偏りのない思考のことです。物事を多面的、客観的にとらえ、論理性をもって思考します。また、言葉の通り「相手を批判する」のではなく、自分の思考を吟味することを重視します。問題解決や判断につながるジェネリック(汎用的)なスキルとも言えるでしょう。
クリティカルシンキングの目的は、与えられた条件で最適な答えを導き出すことです。多面性や客観性、論理性を基軸に、結論付けや判断をします。
文部科学省も必要性を説いている
文部科学省は、クリティカルシンキングを学校教育法で定義しています。
学校教育法五一条 (高等学校における教育の目標)
三 個性の確立に努めるとともに,社会について,広く深い理解と健全な批判力を養い,社会の発展に寄与する態度を養うこと。
(引用元:研究開発学校制度|文部科学省)
また、2012年6月4日に文部科学省は、「社会構造の変化に対応するための初等中等教育システム改革」に関してこのように記述しています。
考える力(クリティカルシンキング)やコミュニケーション能力等の育成、体験的な学びに重点をおいた新学習指導要領等の着実な実施とフォローアップ
(引用元:社会の期待に応える教育改革の推進|文部科学省)
文部科学省でも子供たちの育成のために、クリティカルシンキングの必要性を認識しているようです。
ロジカルシンキングとの違い
ロジカルシンキングは、「論理的思考」と言い換えられ、クリティカルシンキングと同様に有名な思考法です。ロジカルシンキングは、物事を要素分解して、過不足なく整理や分析することで、合理的な「最適解」を導き出します。
文書作成や会社の営業、目標達成など、人生のさまざまなシーンで論理的思考は使えます。例えば、「高校卒業までに短距離走のタイムを〇秒縮め全国大会に出場したい」という目標設定だとするなら、高校最後の大会までの残り期間から、1ヶ月あたりどれくらいタイムを縮め、目標タイムに到達できるのかを計画します。そして、具体的な毎日の練習メニューへと落とし込んでいきます。
一方、クリティカルシンキングでは、前提を検証した上で、本質的に正しいかを判断していきます。具体的には、全国大会に行くのが目的であれば、短距離走という種目にこだわらず、別の種目でもっと可能性を探っていきます。砲丸投げの方が自分にとっては、ハードルが低いかもしれません。「前提が本当に正しいのか?」を考え、本質的な最適解を導き出すのがクリティカルシンキングです。