クリティカルシンキングの育成方法
では、どうやったらクリティカルシンキングを伸ばすことができるのでしょうか。文部科学省の掲げるクリティカルシンキングの育成方法は、主に4種類あります。
ジェネラルアプローチ
各科目の垣根を越え、総合的学習などの授業でロジカルシンキングを教えます。子供たち同士で簡単なテーマでディベートを行って議論をぶつけていくことも、クリティカルシンキングの育成につながっていくでしょう。例えば「登校の際に班での行動が必要か、不要か」というテーマで議論した場合に、相手の主張に対して「それ本当?」と考え、反論していく思考はロジカルシンキングです。
滋賀県のある高校では、総合的学習で、個人のレポート作成やグループでプロジェクト活動を行っています。
インフュージョンアプローチ
導入アプローチとも言い換えられます。各教科の教育で、クリティカルシンキングを分かりやすく教える方法です。教科ごとに、クリティカルシンキングにつながるスキルがあります。
- 国語・・テキストの批評や批判的な読解を行います。
- 地理歴史・・各資料の批判的読解や、出来事の根拠を分析、比較検討していきます。
- 公民・・国際関係、政治、経済、倫理などの学習で論述や討論すし、自分の考えを批判的に吟味します。
- 数学・・統計グラフを批判的に検討して、確率事象を理解します。また、問題を解く際に類推法や帰納法、演繹法を利用して論理的に解決します。
- 理科・・科学リテラシーや研究法を理解します。また、生物や地学などで生活に関係するデータの読解をしていきます。
- 情報・・統計など、情報を取得する際に、その情報自体の整合性や信ぴょう性を吟味します。
イマ―ジョンアプローチ
学習内容に没頭して批判的を明示的に教えられなくとも、自らの気づきによってクリティカルシンキングを獲得することを目指します。さまざまなことを思考しながら、問題発見や問題解決を行うことで、クリティカルシンキングを身につけます。
ミックスアプローチ
上記3種類のアプローチを上手に組み合わせて、クリティカルシンキングを教育します。教科ごともしくは総合学習の時間を通して、明示的、暗示的に教育していくことで身につけさせる方法です。