クリティカルシンキングができないと困ること
クリティカルシンキングができないと、子供は日常的にどんなことに困るのでしょうか。いくつかお伝えしていきます。
自分の価値観しか認められない
多面的や客観的に物事を見ることができなければ、自分の思い込みで判断してしまいます。もし相手や周りが自分と異なる意見だとしても、「自分の考えが正しいのだ」と狭い価値観しか認められなくなってしまいます。
例えば、「文化祭で協力する生徒が少ない」という問題を話し合っていたとき、A君は「協力してもらえないのは、生徒同士の仲が良くないからだ」と主張したとします。そこにB君が「出し物が面白くないからだ」と主張します。A君とB君はお互いの主張を曲げず、平行線のまま、結局解決策を見出せずに、文化祭の期日が迫ってしまいます。
どちらかがクリティカルシンキングを持っていれば、相手の考えを受け入れ、両方を解決できる方法を見出せたかもしれません。
鵜呑みにしてだまされやすい
論理性を持って相手に何かを主張された際、素直に受け入れてしまう人は、クリティカルシンキングに欠けているかもしれません。「本当にそうなのか?」と前提や論理の道筋を疑わなければ、だまされていることにすら気づかないでしょう。
「教科書に書いてあること、先生の話すことはすべて正しい」と思い込んでいる子供がいたら、少し心配になるのではないでしょうか。社会に出たときに、周りの話すことをすべて鵜呑みにしていれば、悪い人にだまされてしまう可能性もあるのです。
成長スピードが遅い
クリティカルシンキングをできない人は、周りのアドバイスを上手に活かすことができません。例えば、サッカー部の監督から「攻めてゴールにシュートをうった後は、すぐに守備に戻れ」とアドバイスを受けたとしましょう。
アドバイスを表面的にとらえてしまうと、どんなシーンでもシュートをうってすぐ守備に戻ってしまいます。監督の「カウンターを防ぐための守備転換」という意図に気付くことができません。とにかくシュート後すぐに守備に戻り、「シュートをうってから、キーパーのはじいたこぼれ球を再度シュートする」という状況に対応できず、ゴールを狙えなくなってしまうのです。
このように、アドバイスを活かせるかどうかが決まり、結果的に成長スピードも遅くなってしまいます。