Grit力の高い人が周りにいる
「人は人でしか磨けない」という言葉の通り、子供は周りにいる人間から大きな影響を受けます。Gritの高い集団に飛び込むことは、効果的でしょう。例えば、プロサッカー選手になりたい平凡な中学生が「日本のサッカー強豪校に通うか」「本場ブラジルに単身で渡るか」では、どちらを選んだ方がいいでしょうか。普通なら前者でしょう。
「キングカズ」こと一流サッカー選手の三浦知良は、15歳のころ目立たない平凡なプレイヤーでした。しかし、ブラジルへ単身で渡ることを決意し、家族やチームメイトからの猛反対を受けながら、実行に移していったのです。約7年半の間、現地で鍛えられあげ、トップクラスの選手へと成長して数々の伝説を打ち立ててきました。
このように高いGritのある環境に自ら身を置くことで、子供自身のGrit力を高めることができるのです。子供の好きな分野でGrit力の高いメンターに指導してもらい、子供のGritの基準を引き上げてもらうことも一つでしょう。
また、最も身近にいる存在として、親自身のGritも重要です。「子供は親の背中を見て育つ」というように、子供は親御さんの真似をしながら成長していきます。親が高いGrit力を発揮することは、子供のGrit力の向上へとつながっていくでしょう。まずは、親が率先してGritの手本を見せてみてはいかがでしょうか。
難しいことに挑戦せざる得ない状況をつくり出す
前述の項目と一部重複しているかもしれませんが、挑戦せざるを得ない場に身を置くことでGrit力は向上します。三浦知良は、ブラジルに単身渡ったことで、家族はおろか小中学校の友達とも会えず、サッカーに取り組むほかありませんでした。しかも、場所はサッカーの本場ブラジルです。否が応でも、基準の高いサッカーに挑戦せざるを得ません。こういった状況をつくり出したことで、彼のGrit力は磨かれていったのです。子供が本気で「これを成し遂げたい」というのであれば、背中をそっと後押ししてあげてはどうでしょうか。
また、家族や友達と一緒に目標に向かっていくのもいいでしょう。自分だけで挑戦するのが難しいのであれば、周りと一緒に取り組むのも一つの方法です。例えば、「ダイエットして3ヶ月で6kg痩せたい」という目標を掲げて、家族みんなで健康的な食生活に取り組んでいくのです。1人だとついあきらめたくなる瞬間でも、周りに頑張っている人がいたら、それが心の支えになるでしょう。ほかの人が成果を上げていれば、いい刺激としてモチベーションにもつながります。
おわりに
Gritそのもの、Gritを体現した日本人、Gritを高めていく方法などをお伝えしてきました。高いGrit力を誇り偉業を成し遂げた方たちは、才能ではなく、圧倒的な努力に基づいていることもお分かりいただけたのではないでしょうか。子供のGrit力を引き出すための環境づくりや言葉がけが大切です。Gritの高めるためのきっかけを与えてみてはいかがでしょうか。
参考
GRIT(グリット) 平凡でも一流になれる「やり抜く力」|日経BPブックナビ
「GRIT」とは何か?成功者に共通するのは「才能」じゃなく「やりぬく力」|HR NOTE
目標は絶対に諦めない! やり抜く力「GRIT」を成長させる4つの方法。|STUDY HACKER
上杉鷹山の生涯|上杉鷹山の生涯
ブラジル時代のカズを追って ~サッカー王国での7年半を知る人々の回想録~(前編)|Football Channel
いまさら解説!イチローはなぜ”すごい”?イチロー大辞典|NHK SPORTS STORY