子供に行われている「心の教育」と、家庭でもできる3つのポイント ( 2 )

心の教育が求められている理由

前述したように、国では幼稚園の段階からさまざまな観点を持った「心の教育」を実践しようとしています。これら「心の教育」はなぜ、幼稚園のような早い段階で必要とされているのでしょうか?

家庭の問題

幼稚園の段階から子供の心の教育が必要とされている理由の1つ目としては、現代における家庭の問題です。

厚生労働省が出している「平成29年 国民生活基礎調査の概況」によると、いわゆる核家族世帯の割合が増えており、祖父母など「三世代」で暮らしているという世帯は2001年より減り続けています。また全体の総数である人口が減っている一方で、「夫婦のみ世帯」は1986年調査より増え続けており、少子化の影響が顕著に出ていることが分かります。

昭和の時代とは「家族」の形が変わりつつある中で、祖父母などから昔の生活体験を学ぶ機会が減少している一方、親と子の関わりが無責任な放任、もしくは過保護・過干渉など密になってきていることが指摘されています。

子供が初めて関わりを持ち始める家族のかたちが、さまざまな社会情勢を背景に変わりつつあります。これらが子供の「心の教育」に良くない影響を与えるのではないかと懸念されているのです。

地域社会の問題

幼稚園教育要領でも挙げられていた通り、子供にとって周囲の「環境」は新しい考えを生み出す喜びや楽しさを味わい、自ら考えようとする気持ちが育つうえで重要な要素と言えます。かつてはこの「環境」に地域社会が含まれていました。いわゆる、町内会やお隣さんなど近隣に住む人々との関わりです。しかし現在はこの地域社会の関わりが希薄になっていると言われています。

平成27年版厚生労働白書では、「子育てにとって地域の支えが重要だ」と考えている人は全体の9割を超えているというデータを示しています。他方、住んでいる自治体で「挨拶程度の付き合い」を近所の人としていると回答した人は政令指定都市において実に23.0%、人口5万人未満の自治体においては13.9%と約1~2割のみにとどまっているのです。

子供の心の成長には地域社会におけるさまざまな活動による影響も大きいため、家庭と地域社会で担えなくなったこれらの活動について、幼稚園教育要領の中には幼稚園において地域の人たちとの関わりを持った活動を行うことについても記載されています。