過干渉が子供の性格に与える影響は?
親から過干渉な教育を受けた場合、子供にはどのような影響が現れるのでしょうか。今回は過干渉が子供に及ぼす影響を3つご紹介します。
仲間外れを恐れ、人一倍周りに合わせる
親の干渉度によって、子供の友達関係に影響が現れる可能性があります。
ベネッセ教育情報研究所は、過干渉・非過干渉な親を持つ中学生4,550人を対象に友達との関係について調査しています。その結果は以下のようになっています。
(参照元:3 親の干渉度が子どもの友だち関係に及ぼす影響|ベネッセ教育総合研究所)
過干渉な親を持つ子供はそうではない子供に対して、「グループの仲間同士で固まっていたい」、「仲間はずれにされないように話を合わせる」、「友だちと話が合わないと不安に感じる」のすべての項目において高い数値を示していることが分かります。
過干渉な親を持つ子供は人一倍周りの目を気にし、孤立することを恐れるようになる可能性があると言えるでしょう。
他人に責任を押し付けるようになる
過干渉な子供の特徴として、責任をほかの人へ押し付けてしまいやすくなるという点が挙げられます。
「尾木ママ」とも呼ばれる教育評論家の尾木直樹さんは、テレビ番組の中で過干渉な子供の特徴について問われ、以下のように回答しています。
「うっかりして、過干渉になり過ぎちゃうと、本当に無責任な子になりますよ。だって、自分が決めたんじゃなくて、ママが決めたんでしょ? 点数が悪かったら、『ママのせいだよ、練習させてくれたページがよくなかったから』とか、全部親のせいになっちゃう。だって、親がやっているんですもの」
(引用元:ウワサの保護者会 第23回「過干渉 やめたいけれど・・・」|NHKオンライン)
親の介入が多いと、子供が責任を持って自分のことを決めるという習慣がつきづらくなってしまいます。自分自身のことに対しても、親へ責任を押し付けるようになってしまう可能性があるでしょう。
主体性がなく、自分で何も決められない
過干渉な教育を受けて育った子供の特徴について、明治大学文学部の諸富祥彦教授は以下のように述べています。
「2020年の教育改革などでも、『主体性のある学び』の大切さを訴えていますが、親がなんでもやってしまう過干渉育児は、まさにその主体性がない子どもを育ててしまっているのです。本来、自己選択することこそが人生のはず。過干渉で育てられた子どもは、大人になっても自分で職場も結婚相手も何も決められない、自分の頭で物事を考えられない人間になってしまう、そんな恐ろしいリスクがあるのです」
(引用元:「過干渉育児」の恐ろしい弊害 子育ては根気が一番|日経DUAL)
何でも親が決めてしまうことで、子供の主体性が育たない可能性があるのです。主体性が欠けたまま大人になっていくと、自分にとって大切なことでも自己判断をできないような大人になってしまう可能性があると言えるでしょう。