教育格差の原因は大きく分けて3つ
教育格差は大きく分けて3つの原因によって発生します。1つひとつの原因について解説していきます。
貧困による教育格差
教育格差の中で1番大きな比率を占めているのが、貧困による教育格差です。貧困による教育格差は、家庭あるいは国の経済状況が苦しく、子供に満足な教育を施すことが難しくなることが主な原因です。
日本における貧困の教育格差としては、以下のようなケースが多くあります。
貧困層家庭の教育
- 勉強に必要な道具を揃えることができない
- 子供を習い事に通わせることができない
- 勉強よりも生活のことで頭がいっぱい
富裕層家庭の教育
- 塾、スポーツ、音楽など、さまざまな習い事に子供を通わせる
- 海外旅行などで異国の文化に触れる
- 授業で分からないところは塾や家庭教師の先生に聞ける
家庭の経済環境が裕福であれば、公立校以外私立を含めた学校の選択肢が広がるだけではなく、塾やスポーツや音楽などの習い事もお金の心配することなく取り組むことができます。一方、貧困家庭では教育どころか日々の生活も苦しい状況です。
このように、経済的な影響によって教育に大きな格差が生まれます。特に、塾や通信教育で学校の勉強を予習復習するのが当たり前の現代では、学校以外の教育にどれだけお金をかけられるかが、子供の教育にもダイレクトに影響してきます。
貧困格差についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
家庭環境による教育格差
家庭環境の問題によって満足な教育が受けられず、教育格差となることがあります。
家庭環境によって起きる教育格差としては、先ほど紹介した貧困による教育格差に加え、育児放棄(ネグレクト)による教育格差も含まれます。
十分なお金が家庭にあるにも関わらず、「子供を学校に行かせない」「勉強に必要な道具・教材を与えない」といった場合には、家庭環境による教育格差が起きていると言えます。
家庭環境による教育格差はネグレクト(育児放棄)の1種類としても知られており、子供の教育において大きな問題となっています。
ネグレクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
地域による教育格差
先進国である日本、さらにこれほどまでに情報技術が発達した現代において、地域によってそんなに違いが出るとは思いもよらないかもしれません。近年はあまり言われなくなっていますが、都心に人が集中し、地方の人が減る地域過疎化、いわゆるドーナツ現象は今もあります。
そのため、人が集まる都心に比べ、地方の教育環境は整っているとはいいがたいのが現状。都心は人も多い分、学校教育も充実し、パソコンを積極的に導入していたり、塾などの学校外教育も整っています。
対して地方は子供が少なく、場合によっては全学年同時に授業、ともなると都心のようなピンポイントで学べる環境はつくることができません。子供が少ないのであれば塾などを構えることもできないでしょう。それは、学習塾だけではなく、ほかの習い事の施設にも共通していえること。子供の数が少ないために、子供が持つ選択肢が狭まってしまうのです、
都心と地域、そこに生まれただけで子供の教育環境は、親が思っているよりも大きな差ができてしまうのです。