教育格差の対策・解決策
どんな親でも、子供には幸せでいてほしい、と願うものでしょう。そのためには、教育格差が生まれるような事態は避けたいものです。とはいえ、前述したように教育格差は連鎖するもの。親御さんご自身も、貧困家庭で育ちたかったわけではないはずです。ここで連鎖を断ち切るためにも、具体的に何をしていくべきか考えてみましょう。
政府・行政の教育格差対策
教育格差をなくすために、国も対策を考えています。代表的なものが教育バウチャーと呼ばれるもの。私立学校の学費などに遣えるクーポンを配布するというものです。これは経済的格差をなくすのに非常に効率的な政策でしょう。家庭の学費の負担を減らすとともに、学費を気にせず広範囲で学校の選択ができるようになるので、学校間で競争が生まれ、教育全体の質を上げることができます。
ただし、学校間の競争自体が学校どうしで順位付けがされることになり、余計に格差が広がるのではないか、との懸念から、日本では導入は見送られています。
代わりに日本で導入されているのが、「学校外教育バウチャー」と呼ばれるもの。塾などの学校外教育に使えるクーポンを配布したりしています。
家庭でできる教育格差対策
家庭で何かしてあげられることはあるでしょうか。もちろん一番は、親自身がしっかりと稼ぐこと。経済的基盤をしっかりさせることで、適切な教育を受けられる環境を整えてあげることが大切です。
とはいえ、言うは易く行うは難し。親も必ずしも貧困になりたくてなったわけではないでしょう。どう頑張っても、会社の給料を上げることができない、ということもあるかもしれません。
でも、お金がなくても、教育環境を整えてあげることはできます。親が一緒に勉強すればいいのです。貧困家庭に育った子供の多くは、その生活環境ゆえか勉強に対する意欲を失ってしまうことが大半だといわれています。それでも、親が頑張って勉強に励んでいる姿を見れば、子供もその姿を見て真似をするようになるかもしれません。
子供がかわいいと思うなら、将来苦労させたくないと思うなら、親自身が今から一緒に苦労する覚悟が必要です。
まとめ
子供は親の背中を見て育つもの。自分と同じ遺伝子を持ち、未来を導いてくれる存在ですし、何より人生の大先輩です。そんな人生の大先輩が貧しく、あまり勉強を受ける環境にない、勉強をする気がない、となれば、子供も「それでいいんだ」とあきらめてしまいます。
「貧乏は遺伝する」とまで言われるほど、教育格差は連鎖していくものとされています。教育格差の原因が分かったら、その連鎖を断ち切ることもできるのではないでしょうか。
参考
“教育格差”は何が問題なのか?経済格差と教育格差の連動による階層化と活力・意欲の低下|カウンセリングルーム:Es Discovery
教育格差を是正する方法 | アゴラ
学力の地域格差:教育格差の発生・解消に関する調査研究報告書 | ベネッセ教育総合研究所
教育格差について知っておきたい実態と問題!取られている対策とは | チャイビ
所得格差による子どもの教育格差を埋める新手法「学校外教育バウチャー」の仕組みと特徴とは?(後編) | ひみつ基地
教育格差を是正する方策~就学前教育改革~(塾生レポート) | 松下政経塾