リーダーシップ力を育てる3つの方法
友達とルールを決めて遊ぶ機会を増やす
友達と集団で遊ぶ機会を増やすことは、子供のコミュニケーション力につながります。遊ぶ機会が多ければ、友達に提案したり、交渉したりする場面も増えるでしょう。同時にけんかする機会も増えるでしょうが、仲直りする方法も学ぶはずです。自分の提案などで、楽しく遊べたという経験が増えれば、子どもの自信や有能感も育まれていきます。
宇都宮大学での大学生を対象とした調査によると、子供のころに自分たちでルールを決めて遊んだという記憶が、リーダーシップを発揮できるかどうかに影響を与えていることが分かっています。そのような記憶がある人は、道案内を頼まれるような場面に遭遇しても率先して対応することができ、身近な組織を良くするために自分の意見を積極的に言うことができます。子供のころに大事なことを自分たちで決めたという感覚は、将来のリーダーシップ力に影響すると言えます。
遊びでのルール決めは、家庭でもやってみると友達と遊ぶときに思いつきやすいかもしれません。例えば、ごっこ遊びでは言葉づかいを指定したり、ブロックで遊ぶときは色や高さを指定したりするのも1つです。
いろいろな経験をさせる
リーダーシップ力を育てるためには、多様な経験をさせることが大切です。遠出しなくても、近場に探検に出かけることで何か発見があるでしょう。家の内外でたくさんの遊びを経験し、自分でいろいろな実験をしてみることも新たな興味につながります。
一方で、家庭だけでは得られない、もしくはさせてあげるのが難しい経験もあります。アメリカでのリーダーに対するインタビュー調査では、新世代のリーダーについて、幼いころから幅広いアイデアやテーマに触れさせることがリーダーの成長プロセスに重要だと分かっています。
例えば、さまざまな大人や、自分とは年齢や環境が異なる子ども達が集まるワークショップなどに参加するのも1つです。サマーキャンプなど子供だけで参加できるイベントや、親子で参加できる体験教室も貴重な経験です。
子供だけでイベントに参加させることに不安を感じるかもしれませんが、親がいなければ子供だけで決断し、困ったことがあったら解決しようと動く機会が増えるため、その1つ1つは成長につながっていくでしょう。
普段から自分の意思を持たせる
普段から、小さなことでも子供自身の意思を持たせることで決断力を高めていくことができます。決断力は一朝一夕で育てられるものではなく、日々の積み重ねによるものです。例えば、外食時のメニュー選びや、毎日の洋服選び、読み聞かせの絵本選びなどを子どもに選択させることが大切です。
はじめのうちは、子供に選択させると時間がかかったり、親が望むものと異なるものを選んだりすることもあるでしょう。決断することが習慣になっていくと時間も短縮されていくため、それまで親は忍耐力をもって根気強く付き合うことが必要です。
おわりに
家庭は最も身近な組織の1つで、子どもは親の行動をよく真似するものです。親がお手本となってリーダーシップを発揮していくことも、子供のリーダーシップ力の育成に大きな影響を与えます。
子どものころに育まれたリーダーシップ力は一生ものです。リーダーシップ力を育てるために、家庭で簡単に取り入れられることからまずは実践してみてはいかがでしょうか。
参考
小原一馬(2015)『遊び経験と自発的リーダーシップ』宇都宮大学教育学部紀要
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