学校給食はどう変わる?「まずい給食問題」で私達が考えたいこと - cocoiro(ココイロ) - Page 2

どうして給食がまずいのか

学校給食がまずいと言われる背景にはさまざまな要因があります。学校給食を食べるのはあくまで子供が対象のため、衛生管理のルールは厳しく設定されています。そのため、運搬方法が製造過程を管理するためのデリバリー形式になるなど、味に対する配慮が欠けてしまっている可能性も考えられます。

では、給食がまずいと感じる主な要因と、子供が給食を嫌う背景について詳しく見てみましょう。

デリバリー式の給食は冷たくなる

学校給食では、食材は「当日搬入、当日調理」が基本とされています。食材は納品時に品質や生産地、鮮度や異物混入の有無などを確認し、もし野菜の表面に汚れや異物がついていた場合は別々の流し場で3回洗うことなどが、「学校給食衛生管理基準」に示されています。

ほかにも、調理場は食材の搬入から調理、搬出までの動作がスムーズにできるよう、一方通行に作業ができるように設計され、肉と野菜は使う調理具を分けるといった二次汚染を防ぐ対策がされています。

異物混入を防ぐために金属探知機を設置する施設もありますが、コストの関係上、デリバリー式の給食を作る民間業者においては金属探知機を導入していない会社も少なくなくありません。メニューは教育委員会の管理栄養士が決定しますが、せっかくの食事もこうした厳しい管理の元で作られているため、配膳されるころには冷めてしまっていることが多く、味に影響を及ぼすとされています。

子供に「薄味」が不評?

学校給食の味に慣れない子供は、家庭での食生活が影響していることも少なくありません。例えば、両親が共働きの家庭などの場合は、子供の食事を惣菜で済ませたり、レトルト食品になったりすることもあるかもしれません。市販の食品は味つけが濃いため、子供が小さいころから濃い味に慣れさせてしまうことで、学校給食が「薄い」と感じ、「給食はまずい」と感じてしまうことにつながります。

子供が塩分を摂りすぎないように配慮して作られた食事は、将来の生活習慣病予防にも役立てることができます。薄味の場合は食材そのものの味を楽しむことができるので、「学校の給食がまずい」と子供が言った場合は、家庭での食生活も見直す必要があります。

嫌いな食べ物も食べなくてはいけない

学校給食を巡る問題では、給食を無理やり食べさせられたというニュースも話題になりました。

富山県小矢部市の市立小学校で今年1月、嫌いな給食のおかずを残した当時4年生の男児に無理やり食べさせ、嘔吐させたとして、50代の女性教諭が担任を外されていたことが分かった。教諭は男児に床掃除もさせていたという。

(引用元:給食無理やり食べさせ嘔吐 女性教師「口を開けなさい」と箸で押し込む|産経WEST

こうしたニュースを見ると、「給食を無理やり食べさせるのはどうなのか」と考えてしまいます。もしも、子供にアレルギーなどがある場合は学校にあらかじめ伝達する必要がありますが、そのような問題がない場合、嫌いな食材が給食に入っているときに子供はどうするべきなのでしょうか。

栄養バランスのとれた食生活を心がけるためには、嫌いな食事を克服し、子供のころから給食指導を行うのも1つの方法です。嫌いな食材がある子供の中には、実はその食材を1度も食べたことがなかったというケースもあります。

家庭で子供の好きなものばかりを食べさせている場合は、子供が普段食べないような食材に挑戦してみることで、「給食では嫌いなものも食べなくてはいけない」と悩む可能性を減らすことができるかもしれません。