「食育」とは、食に関する知識を身につけながらバランスの良い食事を選択することですが、大人だけでなく子供も食に関する知識を知ることが必要です。当記事では、政府が制定した「食育基本法」や食育の目的、子供と食育との関係について紹介します。
もくじ
食育について
食育という言葉を聞いたことがありますか? 食育とは、食に関する知識や見解を広めることで健康的な食生活を実践することを目的としています。食べることは私たちにとって大切なことなので、大人はもちろん、子供たちにも食に関する知識を与えることが必要です。
食育とは
食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり 、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです。
(引用元:食育の推進|農林水産省)
食育の推進に力を入れている農林水産省によると、食育とは生きる上での基本とされています。私たちが普段食べている食事について、栄養バランスのとれたものかどうか、偏りがないかといったことを毎回メニューを考えるたびに考慮することは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、成長途中である子供にとって、食は生きていく上での大事な要素です。食に関する知識や「食べることが楽しい」と思える食事を心がけることは、子供の成長に大いに役立てられます。家族で楽しく食事をしたり、野菜の収穫体験をするなど、食育を家庭でも実践することが大切です。
食育推進の背景
食育が近年注目されている背景には、食に関するさまざまな課題が浮かび上がっているからと言えます。
例えば、バランスの良い食生活をとることが難しかったり、食材の好き嫌いがある場合には、栄養の偏りや不規則な食事による病気など、生活習慣病の増加といったことが考えられます。ほかにも、若い女性がダイエットに夢中になることや、高齢者の栄養不足による健康面での問題、海外からの食料輸入に依存する現状など、食の環境は日々変化し続けています。
そのような中で、食育によって食に関する知識を深め、健康的な食生活を心がけることが、食べる力を生きる力に変えることにつながり、食育を通して私達の生活を豊かにすることができます。このように、食育の目的は、「私たちが正しい食生活を選ぶ力」を身につけることです。
「食育基本法」を政府が制定した目的
2005年、政府は「食育基本法」を制定しました。食育基本法は、食育に関する取り組みを推進することを目的とした法律で、全33条から成り立っています。2015年には、食育推進業務が内閣府から農林水産省へ移管し、「国の債務」として食の安全や生活習慣予防といった近年増加傾向にある問題を改善するべく、食育が各機関で取り組まれています。
食に関する情報提供や栄養指導など、食育を積極的に行うことで食に関する理解を深め、食品ロスなどの深刻な問題への対応に取り組むことが、食育基本法の背景となっているようです。また、以下が食育基本法・第1条に書かれている食育の目的です。
この法律は、近年における国民の食生活をめぐる環境の変化に伴い、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむための食育を推進することが緊要な課題となっていることにかんがみ、食育に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、食育に関する施策の基本となる事項を定めることにより、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。
(引用元:食育基本法(平成27年9月11日最終改正) |農林水産省)