子供にどんな影響がある?
手遊びは、手や指をさまざまな形にして、動物などの生き物を表現する遊びで、歌もたくさんあります。細かい手や指の動きは赤ちゃんにはなかなか難しいものですが、発達段階とともに徐々に自由に動かせるようになります。手遊びは手や指先を器用に動かすためのトレーニングにもなります。
手遊びには歌詞とメロディがあります。リズム感が養われるだけでなく反射機能や音感を高めることができます。また、歌詞にはさまざまな言葉が登場するので言葉を認識する力をつけることができます。さらに、人の動きに合わせて遊ぶので協調性やコミュニケーション力を高めることにもつながります。そこで、視覚、聴覚、触覚に与える影響についてご紹介します。
視覚への影響
視覚が発達してくると、指をさした方向を見たり、少し離れたところにあるものを集中して見たりすることができるようなります。楽しいことをしてくれる大人の動きには興味津々で、常に大人のしぐさに集中して見るようにもなるでしょう。
赤ちゃんであれば、自分が手遊びできなくても、大人がリズムやメロディに合わせて手遊びする様子を見ることで、十分に楽しむことができるでしょう。そのうちに視覚で捉えたものと言葉の意味がつながるようになり、さらに手遊びを楽しめるようになります。
聴覚への影響
生後10ヶ月くらいになると喃語(まだ言葉にならない発声)を繰り返し発するようになります。自分で発した声や大人の語りかけをよく聞くようになり、徐々に聴覚が発達してきます。自分で言葉を思うように発することができなくても、リズミカルな手遊びに反応して、うなるような声を出して一緒に遊ぼうとします。
人の表情や身ぶり、手ぶりと言葉の関係性にも興味を持つようになり、少しずつ簡単な言葉が理解できるようになります。同じような言葉をリズミカルに繰り返す手遊びは、聴覚にも良い影響を与えるといえます。
触覚への影響
ハイハイの時期が過ぎた赤ちゃんは、徐々につかまり立ちをするようになります。手や指に少しずつ力が入るようになり、ものを触るという感覚から握る、動かすことに興味が湧いてくるようになります。指をじっと見つめながら、親指と人さし指を向かい合わせたり、くっつけたりしながら、さらに独立した指の運動や手先の細かな動きができるようになります。
手遊びでは、指や手のひらを合わせたり、くっつけたりする動きも多く、触る、握るなど触覚への刺激を与えることができます。
簡単な手遊びで子供の成長を育もう!
歌と手や指の動きが一緒になった手遊びからは、脳や心の発達を促すことはもちろん、親子の信頼関係を深めたり、大人の真似をすることで習慣的な動作を楽しみながら自然と身につけたり、集中力を高めたり、運動機能を向上させたりといった効果が期待できます。特別な道具はいらず、赤ちゃんからできる簡単なものもあるので、普段の子供との遊びの時間に手遊びを取り入れてみてください。
参考
手遊び歌の種類と成り立ちについて|徳島文理大学研究紀要第84号平成24.9
手遊び歌の使用法における一考察|国士舘大学