毎年夏に訪れる年中行事のお盆。お盆では、お供え物を準備しますが、なぜお盆にお供え物を準備するものなのでしょうか。お供え物を飾る期間やお盆前の準備、定番やお供え物の贈り方やマナー、お返しの仕方などについてご紹介します。
もくじ
なぜお盆にお供え物をするのか?
ご先祖様をお迎えするため
お盆では、ご先祖様を故郷にお迎えして、供養するための行事。ご先祖様の魂をおもてなす、という意味でお供え物をします。仏教や神道で神様に物を献上するのとは、意味合いが異なります。お盆は、7月13日~16日、もしくは地域によって8月13日~16日、もしくは9月中旬にご先祖様を迎え入れます。
お供え物をいつ下げる?
お供え物をお盆期間中にお供えした後、そのまま放置するわけではありません。お供え物から下げたものを家族やお客さんと一緒にいただくことまでの一連の流れが「風習」であると考えられています。
ご先祖様に供えた物を食べるのに抵抗感のある方もいるかもしれません。しかし、お供え物を傷まないうちに下げて食べきることが作法となっています。
たとえば、朝方にお供えすれば、午前中には下げて食べてしまいます。これも、食べ物を粗末にしないための礼儀作法です。また、炊き立てのご飯を供える際には、ゆげが立たなくなって冷めてきたら下げどころと考えていいいでしょう。
万が一、お供え物が多すぎて、食べきれないという場合には、白い紙に包んでお清めしてから処分するのも一つです。ただし、お供え物やご先祖様への感謝の気持ちを忘れないことが大切です。
お盆前の準備とは?
お盆の月には、お盆までに仏壇の掃除を済ませておきます。隅々までていねいに掃除しておきましょう。香炉の灰をふるいにかけて、古い線香の残りを取り除きます。また、仏壇だけでなく、お墓の掃除も済ませておきましょう。
墓石周りの草取りや墓石をきれいな布やスポンジを使って掃除して、花筒なども洗います。そして、13日には迎え火を起こしてご先祖様を出迎えます。お墓にお参りして、花や線香を供えます。地域によっては、提灯に火をともし、自宅まで移動します。
ちなみに、16日ころには送り火として、火を起こしてご先祖様をお見送りします。灯篭流しや京都の大文字なども有名な送り火です。大文字の正式名称は「五山送り火(ござんのおくりび)」というもの。毎年8月16日に行われる京都の伝統的な行事です。