なぜお盆にお供え物をするの?お供え物の選び方からマナーまで - cocoiro(ココイロ) - Page 3

〇〇物の3条件

お盆で準備するお供え物は、ご先祖の霊をおもてなしするために献上します。お供え物を選ぶ上で押さえたい条件が3つあります。

消え物

お盆は、お祝い事ではなく弔事として行われる行事の一つです。そこで、後に残らない使えば消えてなくなる物を選びましょう。基本的に「4本足のもの」「生臭いもの」を避けなければなりません。なので、肉や魚を避けましょう。ちなみに、古来はお酒を禁じられていましたが、現代ではお酒を選んでも問題はありません。

日持ちする物

お盆は夏に行われます。そのため、暑さに負けない傷みにくいお供え物を選びましょう。定番では、後述しますが、飲み物や乾物、お菓子、お茶やコーヒーなどもおすすめです。法要後には、お供え物を下げて家族やお客様と一緒に分け合うため、小分けしやすいものがおすすめです。

故人の好きな物

故人の好きだった物を選んでもかまいません。ただし、肉や魚などの生ものや、縁起の悪い物は避けます。また、故人が生前に好んでいた物でも、日用品は避けましょう。初盆では、故人が亡くなってから日も浅いため、ご遺族の気持ちに寄り添ったお供え物を選ぶことも大切です。

お供え物の定番

お供え物の定番には、いくつかの種類があります。

果物類

まず、果物類です。夏に旬を迎える果物も多く手に入れやすいでしょう。また、供え終えた後に、見舞客にお下がりとして提供することもできます。また、丸い形は「円」や「縁」を連想させる縁起物として考えられています。そこで、果物を選ぶ際には、丸い形をしたスイカや桃、ぶどうなどの丸い物を選ぶといいでしょう。

ただし、あまり日持ちのしないものは避けましょう。また、フルーツバスケットでは、「割り切れる」ことで故人との縁を切れることを連想させる偶数を避け、奇数にしておくといいでしょう。

乾き物

定番の2つ目は、おせんべいやクッキーなどの乾き物。日持ちしやすく、持ち運びもしやすいので、定番として有名です。注意点は、色鮮やかなデザインの包装、小分けの袋ではお供え物としてマッチしません。なるべく白や緑、青などの落ち着いた色合いを選びましょう。小分けに包装されていると、お菓子として扱いやすいでしょう。

次に挙げられるのが、花です。お花の定番として菊が有名です。しかし、ほかにもリンドウ、キンセンカ、アイリスなどのお供え物として適しています。逆にトゲのあるバラ、香の強い花、毒性のある花を避けましょう。買う本数としては、奇数の3本、5本、8本あたりでまとめると、縁起としても、ボリュームとしても適切です。

例外として、故人の四十九日の法要が終わり、初めてのお盆である初盆の場合には、白で統一します。それ以降であれば、紫や黄色などで派手すぎない花を選びましょう。ちなみに、左右の花筒に供えるため、ペアでの購入を忘れずやっておいてください。

そうめん

また、意外な定番として知られているのがそうめんです。そうめんに込められた意味はさまざまで、「そうめんのように細く長く幸せが続くという思いから」「ご先祖様の荷物をしばる紐」「あの世への帰路で乗る精霊馬の手綱」「そうめんには熱病予防の効果があると信じられていた」など、諸説あります。そのほかに、お盆に豊作祈願といった意味合いもあるため、小麦を原料とするそうめんをお供えしていたこと、年中行事の七夕でそうめんをお供えしていたこと、なども由来にあると考えられています。

相場金額とは

通例であれば、線香やろうそく、菓子などの供物や供花を持参していました。しかし、最近では供物料(現金)を包むのが一般に浸透しているようです。相場金額は、関係性にもよりますが、3,000~5,000円。初盆や新盆では、5,000~10,000円が相場になっています。現金と品物、どちらでも大丈夫です。