凧揚げはお正月の風物詩の1つです。昔は広い原っぱや河原などで凧揚げを楽しむ子供がたくさんいました。しかし現在では生活環境の変化により、凧揚げができるような場所がなかったり、スマートフォンやゲームの台頭により家の中で遊んだりすることが増えてきたため、以前のような光景はなかなか見かけなくなりました。
お正月とはいえ、天気が良ければ子供には外で思い切り遊んでほしいものです。そこで今回は、親子で一緒に楽しめる凧揚げについて、現在の流行りや由来、手作りの凧の作り方や凧揚げのコツなどを詳しくご紹介します。凧揚げは子供だけの遊びではありません。ぜひ昔を思い出して、親子一緒に楽しんでみてください。
もくじ
凧揚げは中国から伝わる遊び
日本の凧のルーツは、中国から伝わったという説があります。5~6世紀ごろの中国では、古くから凧を占いや軍事用の伝達に利用していたといわれています。日本に伝わったのは平安時代でしたが当初は貴族の遊びとして取り入れられていました。戦国時代には敵陣までの距離を測ったり、遠くへ放火する兵器などの軍事目的に利用されていたこともあります。
凧揚げが日本のお正月の遊びとして広く伝わったのは、江戸時代の後半。このころからようやく庶民の遊びとして認知されてきたのです。『立春の季に空に向くは、養生のひとつ』ということわざがありますが、これは『暦の上で春になる立春に、外で空を見上げると健康にいい』という意味があり、お正月の遊びとして凧揚げが取り入れられるようになったといわれています。
凧揚げには4つ種類がある
一概に凧といってもいろいろな種類があります。
- 角凧:日本では最も一般的な凧。長方形や正方形で和紙などを原料に作られている。
- ゲイラカイト:NASAの元技術者が開発したプラスチックフレーム+ビニールの凧。昭和40年代に爆発的な人気を誇った。
- 連凧:小さな凧をいくつも連ねて作られている凧。単体の凧よりも風にのって揚げることができる。
- バイオカイト:流体力学や航空機力学を応用した凧。重量が軽いことで微風でも高く揚げることができる。
このほかにもスポーツカイトなど、新しい凧が開発されています。子供の年齢や体力に応じて、どの凧を使うか検討するのも楽しいかもしれません。