文部科学省が推奨している子供の新たな学習指導の1つとして、正しい答えを出すことよりも、自分の頭で考えるプロセスそのものが重要だと考える学習理論の「問題解決学習(Project Based Learning)」があります。当記事では、問題解決型学習の具体的な学習方法などをご紹介します。
もくじ
問題解決学習(PBL)とは?
「問題解決学習(PBL)」とは、子供が自分で問題を発見し、解決するす能力を養うための学習方法です。数字の計算や英単語の暗記といった受け身の教育学習ではなく、正解のないリアルな問題と対峙することで子供の問題解決能力、思考力、自発性、能動性を引き出すことを目的としています。
「問題解決学習(PBL)」で出される問題は、これまでの経験や知識を元に推測・考察しながら解いていかなければなりません。そのため、「問題解決学習(PBL)」の出題内容は、従来のテストと大きく異なります。例えば、以下のような問いがあります。
- ここでは何が問題になっていますか?
- 何と何で迷っていますか?
- なぜ、◯◯(道徳的価値)は大切なのでしょう?
- どうすれば、◯◯(道徳的価値)は実現できるでしょう?
- 同じ場面に遭遇したら,あなたならどう行動するでしょう?
- なぜ,あなたはそのように行動するのでしょう?
- より良い解決方法には、どのようなものが考えられるでしょう?
問題解決学習が重要視されている理由は?
多くの教育現場でも採用されている「問題解決学習(PBL)」が、これほどまでに注目されている理由は、文部科学省が推進している「アクティブ・ラーニング」が大きく影響しています。
「アクティブ・ラーニング」の重要性
「アクティブ・ラーニング」とは、生徒に自分の頭で考えさせることを目的としていることから、体験学習や意見を交換し合うグループディスカッション、ディベートといった授業内容が中心となります。
また、中小企業やベンチャー企業の成長が目覚ましい昨今、「当事者意識」「オーナーシップ」「自走力」「思考力」「問題解決能力」といったスキルが従業員には求められています。今後もますますその需要は伸びていくでしょう。
こうした時代背景は教育現場にも影響し、思考力や問題発見力、解決能力、考察力といったスキルを幼いころから育てていく必要があります。
アクティブラーニングの目指すところと問題解決学習
アクティブラーニングの目指すところは「正解のない議論(課題)を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけること」です。
(引用元:問題解決型学習・PBLとは?課題解決力で「生きる力」を育む学習法|キャリア教育ラボ
このようなアクティブラーニングの目指すところに対し、主体的・協同的に問題を発見し解決する能力をつけるために適した方法が問題解決学習であり、問題解決学習が注目されている理由となります。
アクティブラーニングについて詳しく知りたい方はこちら