人の発達については様々な研究がなされていますが、その中で「心理社会的発達理論」を提唱したのが心理学者のE・H・エリクソンです。当記事では、エリクソンのライフサイクル理論の詳しい内容と、発達段階と発達課題について、そして教育法へのアプローチについて紹介します。
もくじ
発達心理学者・エリクソンについて
最初にエリクソンとはどのような人物で、どんな理論を提唱したのかを確認していきましょう。
エリクソンとは?
エリクソンはドイツ生まれの発達心理学者であり、精神分析家としても知られています。人間の発達が一生続く「ライフサイクル理論」すなわち、「心理社会的発達理論」を提唱し、それぞれの発達段階における課題や、「アイデンティティ」の発達課題における重要さについて唱えました。
さまざまな心理学者たちが発達理論について唱える中で、エリクソンは唯一、「生涯発達」という視点で発達理論を提唱しています。
心理社会的発達理論を提唱
エリクソンの心理社会的発達理論とは、人が生まれてから死ぬまでの発達に関する理論です。
エリクソンは、人の発達について、「加齢による生物学的な成熟(身長や体重の増加など)や衰退(身体機能や認知機能の低下など)だけでなく、年齢を基準とする時期に応じて生涯を通して発達する。」と考えました。そして、乳児期から幼児期、児童期、青年期、成人期、壮年期、老年期まで、つまり「人が生まれてから老いるまで」の発達を包括的に捉える生涯発達の視点から、心理社会的発達理論(ライフサイクル理論)を提唱しました。
(引用元:エリクソンの発達段階・発達課題、発達理論(ライフサイクル)の特徴は?|知育ノート)
自我の発達が一生続くことを理論づけることで、各発達段階における課題や特徴を明確化し、自身の課題へと取り組むことができるというのが、エリクソンの心理社会的発達理論の特徴と言えるでしょう。