非正規社員を雇用・賃金差別~正規社員に比べて待遇が悪い
正規社員と同じ仕事内容を行っていても、非正規雇用労働者(以下、非正規社員)であることを理由に経済面や福利厚生面で待遇差別を行うのがブラック企業の特徴です。
例えば、経済面では賞与や退職金、諸手当の支払い対象外もしくは少額支給としていたり、福利厚生面では休暇制度や会社施設利用などの制度に格差を設けている企業があるのです。
コンプライアンス違反~倫理観や道徳意識の低い企業体質
コンプライアンスとは法令遵守と和訳されますが、その解釈は広く、行政条例・会社の就業規則・社会倫理を守ることも含まれます。
コンプライアンス違反を経営陣が行うブラック企業の場合、一時的でも企業利益につながるならば不正行為を見過ごすといった企業体質が、労働者側にも染みわたっている例が多く見られます。そうすると、不正を行うことが当たり前になってしまい、働くことへの倫理観や道徳意識がなくなってしまいます。
労働組合への高い敵対度~陰湿で倫理に反する組合潰し
労働組合とは、経済的弱者である労働者が団結して、優位にある使用者(経営陣)に対して健全な労働条件への改善を求めるための団体です。憲法第28条(勤労者の団結権)で保障される労働基本権ですが、労働者を「物」として完璧に支配したい経営陣にとって、労働組合はやっかいな存在だと考えています。
そのため、労働組合の弱体化や破壊を目的として、労働組合や労働組合員に攻撃を仕掛ける企業があります。具体的な事例としては次のような攻撃が報告されています。
- 左遷・解雇・異動を行う。
- 労働組合からの脱退を促す。
- 賞与を下げる。
- 契約社員の雇用契約更新をしない。
- 労働組合に役員を送り込み実権を握る。
このように、ブラック企業といわれる会社は、構成員全員で企業経営の健全化をはかるよりも、経営陣のみが権力を振るえる方がいいと考える傾向があります。