心当たりある?大企業病の特徴と原因を解説!6つの改善予防策を提唱 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

大企業病が起こる5つの原因

大企業病という非効率的な企業体質や社員の思い込み行動は、どうして起きてしまうのでしょうか。大企業病が起こる原因をご説明しましょう。

事業や業績が安定している

事業や業績が安定しているため、リスクを負ってまで新しい事業プランにチャレンジする必要がありません。また、安定を脅かすような失敗に対する許容範囲が狭いため、社員が萎縮してしまい、通常業務以外に手をつけたがらない傾向も見られます。すると、現状維持しようとするこだわりが一層強くなり、組織力が停滞してしまいます。

このほか、事業や業績が安定した企業は、波風を起こさない社員を高く評価し、チャレンジしようとする社員を問題視して排除しようとする人事傾向があります。そのため、優秀な人材ほど実力を発揮できずに離職していき、結果として創造性や自主性の乏しい人材しか残らなくなるため、長い目で見ると組織力が徐々に低下していきます。

企業内の規律を守るための規則が多い

社員の統率を図るためには、一定の企業内規律が必要です。しかし、規律に縛られすぎると社員は自由を失ってしまいます。そうすると、規律を理由に、自分で考えて働くことをやめてしまいます。

これは、業務を他社員に引き継ぐときにも影響することがあります。例えば改善した方が良いと気づいた問題点があっても、それを告げずに放置したまま職を離れてしまいます。すると、問題発見に時間がかかる上、引き継ぎを受けた社員も「自分の代で責任を負いたくない」と目を背けるようになり、大企業病の蔓延が加速する原因になってしまいます。

上層部が現場の状況を把握していない

企業上層部の経営陣が、現場を担当する社員の状況を把握していない場合があります。また、上層部が抱いている経営理念や企業方針を、一般の社員たちは理解していないことも考えられます。上層部と現場の意識が乖離すればするほど、それぞれが思い込みで行動をすることになるので、業務を修正するのに時間がかかり、大企業病が悪化する原因となります。

また一般的に、上層部の方が一般の社員よりも安定志向が強いと言われます。上層部に属する人は、自身のキャリアや実績に自信があるため責任意識が強く、自部署に関する問題を表面化して全社の共通項に挙げることを避ける傾向があります。自部署の情報を出さないのと同時に、他部署の問題にも口を挟まないという牽制関係が築かれており、それが大企業病の原因の一つとなっています。

組織風土が閉鎖的で自由に意見交換ができない

同じ部署内でしかコミュニケーションがない場合、他部署の社員と関係を築くきっかけを見つけられないことがあるでしょう。また、失敗をしたくない、上司の機嫌を損ねたくないと考える社員が多くいると、現場の状況を上司に伝えるのを躊躇うことも考えられます。

このように社員間の縦と横のつながりが円滑でない場合、閉鎖的な組織風土が出来上がってしまい、自由なコミュニケーションを図ることができません。すると、問題が起きたときに人脈や情報がないため、解決策を講じるのに時間がかかってしまう原因となります。

顧客よりも社内での評価を重視する

一般的に企業とは営利社団法人のことを言い、対外的な経済活動によって利益を上げることを目的としています。つまり、企業の目的は「顧客のニーズに応えることで企業利益を上げること」と言えるでしょう。

しかし、絶対的なトップダウンの指揮命令系統に縛られると、業務を進めるには直属の上司の許可がなければ行動できなくなります。そのため、一般の社員たちは直属の上司が気に入るような業務のみを選んで仕事をしたり、社内での評判を気にして行動を選択するようになります。

このような社内ニーズに応える仕事は、「いかに企業が儲かるか」という内向的な視点のみに照準を当てることになり、「いかに顧客を喜ばせるか」という外向的な視点を見失ってしまいます。長期的に見ると、これが企業の業績を左右する深刻な問題を引き起こす原因になるのです。