労働基準監督官の出身大学は?労働基準監督官の受験資格や先輩の声! - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

労働基準監督官の採用情報

上記で、労働基準監督官の採用に学歴は関係ないとお伝えしました。ここでは、受験資格・試験内容・合格率を詳しくご紹介していきます。

受験資格

まず、受験資格は「年齢」と「大学卒業程度の資格」がポイントになります。大学卒業程度の資格というのは実際に大学を卒業しているかどうかではなく、大学卒業程度の力があるかどうかが重要になります。

  1. 受験年度の4月1日時点の年齢が21歳以上30歳未満の者
  2. 受験年度の4月1日時点の年齢が21歳未満の者で、次に掲げる者
    (1)大学を卒業した者および受験年度の3月までに卒業する見込みのある者
    (2)人事院が(1)と同等の資格があると認める者

日本の国籍を有していない者や、国家公務員法第38条で国家公務員になることができない者は受験をすることができません。

参考

労働基準監督官採用試験|人事院

国家公務員法第38条の規定に該当する者|裁判所

採用試験の内容

採用試験の内容は、筆記による「一次試験」と、人物試験(面接)・身体検査による「二次試験」の2つに分かれています。

一次試験は、「基礎能力試験」「選択式の専門試験」「記述式の専門試験」の3つに分かれます。また、労働基準監督Aか労働基準監督Bのどちらを受験するかによって、専門試験の内容は変わります。

労働基準監督Aは、法文系と言われる区分で、憲法や行政法、民法、刑法、経済学、労働経済などが問われます。一方、労働基準監督Bは、理工系と言われる区分で、工学に関する数学、物理、化学などの知識が問われます。

二次試験では、面接官3名と対面して約15分間の面接を受けます。身体検査や性格診断と一緒に行われ、朝から夕方まで1日がかりの試験になります。

労働基準監督官採用試験の面接については、こちらの記事で詳しく解説しています。

労働基準監督官採用試験の面接で質問されることは?対策法もご紹介!

参考
2019年度国家公務員労働基準監督官採用試験|人事院

合格率と難易度

2019年度を含めた過去4年分の合格率は、労働基準監督Aで約10~14%、労働基準監督Bで約15~24%で推移しています。労働基準監督Aの方が募集者数が多いですが、受験者数も多く、合格率が低くなっていることが分かります。また、女性受験者の方が、全体の合格率よりも1~2%ほど高くなっています。

実施年度 試験区分 申込者数 一次試験合格者数 最終合格者数 合格率
2019年度 労働基準監督A 2,703人 1,111人 379人 14%
労働基準監督B 805人 475人 194人 24%
2018年度 労働基準監督A 3,156人 1,043人 396人 13%
労働基準監督B 889人 545人 216人 24%
2017年度 労働基準監督A 2,835人 841人 339人 12%
労働基準監督B 876人 498人 139人 16%
2016年度 労働基準監督A 2,878人 668人 282人 10%
労働基準監督B 795人 417人 120人 15%

※合格率は、小数点第一位以下四捨五入。

参考

労働基準監督官採用試験区分別実施状況2019年度|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況平成30年度|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況平成29年度|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況平成28年度|人事院

先輩労働基準監督官の声

労働基準監督官として働いている先輩が感じているやりがいをご紹介します。

 みなさんが仕事に求めるものは何でしょうか。労働行政は、多種多様な経験ができるので、みなさんが求めるものに出会える機会がきっとあります。

 労働局は、労働分野で社会貢献しながら自己成長できるところです。

 「労働基準監督官」という言葉は聞きなじみのないものだと思いますが、まさに労働者の労働環境を影から支える縁の下の力持ちです。

 業務を行うにあたり労働法の知識が不可欠ですが、何の心配もいりません。研修で労働法の知識を深めることができ、同期との絆も深めることができます。また、気軽に先輩や上司に相談でき、丁寧に教えてもらえます。

 「働く人たちの労働環境を改善していきたい」「困っている労働者を助けたい」、そんな熱い思いを持っている方、労働基準監督官になって是非一緒に働きましょう。

(引用元:労働局|人事院

労働基準監督官は知識が必要ですし、責任感も求められる仕事ですが、研修制度の充実や同僚・上司とのつながりがあり、向上心を持って働くことができるようです。

労働基準監督官に求められる資質

最後は、労働基準監督官に求められる3つの資質をご紹介します。労働基準監督官になるつもりなら、今のうちから意識しておくと良いでしょう。

冷静で客観的な判断力

労働基準監督官は、経営が厳しい中でギリギリで業務を行っている会社や、経営者の方と話をする機会があります。心の優しい人ほど情に流されてしまう可能性があるでしょう。しかし、「労働法」に基づいて仕事をする冷静さと、判断を下す力が必要です。

相手の気持ちを感じ取ることは大切ですが、監督指導業務には「根拠」が必要です。その根拠となるのが、「労働法」と言えるのではないでしょうか。

コミュニケーション能力

労働基準監督官の仕事は、「働く人を守ること」です。例えば、労働環境に違法性を発見し、是正勧告をしたとしても、相手に聞き入れてもらえなければ改善はできません。そこで必要なのが、コミュニケーション能力です。相手の話に耳を傾け、どうしたら改善へと向かうかを考え、それを相手の心に届くように伝えなければなりません。

人に関わる仕事である以上、コミュニケーション能力は非常に重要となります。特に、労働基準監督官の仕事は、相手の行動や考え方に変化を起こしてもらう必要があります。一方通行なコミュニケーションでは、労働基準監督官として十分な仕事をするのが難しいでしょう。

学ぶ意欲と向上心

労働基準監督官は、あらゆる職種、業界の人や会社と関わります。あらゆる職種や業界を知り尽くすことは難しいです。しかし、学び続けることで仕事の内容は向上していきます。

また、法律もすべてが完全に整備されているわけではなく、時代に合わせて変化していきます。特に、変化の激しい時代と言われる現代では、これまでになかった働き方が生まれていくでしょうし、法整備が間に合わない業界も出てくるでしょう。そんな中でも、労働基準監督官は、最新の情報や判例をキャッチしていく必要があります。

まとめ

労働基準監督官の出身大学は、国立大学や有名私立大学であることが多いようです。ただ、受験資格に出身大学は関係ありません。労働基準監督官の仕事内容を理解して、専門的な知識を学び続ける意欲があれば、労働基準監督官への扉は開きます。この記事が、労働基準監督官を目指す第一歩になれば幸いです。

参考

公務員試験”大学別ランキング”トップ100|PRESIDENT ONLINE

2019年度労働基準監督官採用試験 合格点及び平均点等一覧|人事院

労働基準監督官採用試験区分別実施状況|人事院

2019年度 国家公務員 労働基準監督官採用試験|人事院

合格者最多は「東大」307人…国家公務員採用総合職試験2019|リセマム

先輩労働基準監督官インタビュー|YouTube

監督官の学歴と出身大学|ろーきしょ!

労働基準監督官になるには?≪出身大学や仕事内容・年収は?≫|manabi

労働基準監督|スタディサプリ

【労働基準監督官の試験に関する質問】気になる疑問を僕が解決します!公務員の知恵袋 Q&A|公務員講座に払う金があったら旅行にでもいってこい

「ダンダリン」で注目の労働基準監督官とは?!採用試験の難易度は?|使えるトレンド辞典

この記事をかいた人

katsu

オランダの小学校で教員になるために、オランダに移住した元小学校教員。「ひとりひとり違った形や色があって、それがいい」と考え、イエナプランを取り入れた学級づくりや授業づくりに取り組む。ファーストキャリアは旅行会社!「教育」と「旅」をライフワークに、フリーライターとして活動中。Twitterで毎日オランダの教育ニュースを発信中!
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